CA藤田晋氏の大ヒット本「渋谷ではたらく社長の告白」が今更ながら面白すぎた件
ー少年よ大志を抱け。
誰しもが耳にしたことがあるであろう、クラーク博士が残した言葉である。
そしてそれは、ある日本の有名な経営者が好んでいた言葉でもあった。
その男こそが、サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏だ。(以下藤田氏)
藤田氏と言えば、元ライブドア堀江貴文氏、USEN・U-NEXT宇野康秀氏、楽天三木谷氏、GMO熊谷正寿などと並ぶ、インターネット黎明期を支えた著名なIT経営者である。
彼が立ち上げたサイバーエージェントは、インターネット広告やメディア事業、ゲーム事業などを主軸としている。
有名なサービスとしてAbemaTVやAmebaなどが挙げられる。
最近ではグループ会社であるCygamesから生まれた「ウマ娘」がスマッシュヒットしており、ますます勢いを増すばかりである。
直近の決算における売上高は「4195億円」にも到達している大企業だ。
そこまで会社を大きく成長させた藤田氏の経歴はいったいどのようなものなのだろうか?
それを赤裸々につづっているのが、本記事で紹介する「渋谷ではたらく社長の告白」である。
私は昔から、起業家の自伝や告白本を読むのが大好きだ。
実際に生き抜いてきた現実から滲み出る血の匂い、泥臭さ、狂気、友情、ドラマ性、人間の醜悪さなどなど・・・。
そこには、その人の人生にしかないオリジナリティのある物語があり、溢れんばかりの熱量がある。
本記事で紹介する「渋谷ではたらく社長の告白」には学ぶべき点がたくさんある。
そこで今回は「起業を志す人」に絞って、3つのポイントを紹介したい。
■こんな方にオススメ!
・将来起業をしようと考えている人
・起業したいとは思っているけど、何から始めたらいいか分からない人
・起業をしたものの、成果が出ずに悩んでいる人
・一度きりの人生を思いっきり楽しみたい人
- 〇「渋谷ではたらく社長の告白」の概要
- 〇仕事でずば抜けた成果を出し、大きな武器を得ること
- 〇夢を夢で終わらせない行動力
- 〇「仲間」集めの重要性
- 〇金持ちになりてぇんだよ!と思った時にすべき手順のまとめ
〇「渋谷ではたらく社長の告白」の概要
【概要】
著者:藤田晋
出版社:(株)幻冬舎
出版年月日:2005/3/31
ページ数:308p
二一世紀を代表する会社を作りたい――。高校生のときに抱いた起業の夢は、サイバーエージェントの設立により実現した。しかし、社長になった彼を待っていたのは、厳しい現実だった。ITバブルの崩壊、買収の危機、社内外からの激しい突き上げ……。孤独と絶望、そして成功のすべてを赤裸々に告白したノンフィクション。夢を追う人必読の書。
同書は、藤田氏の幼少時代から、ベンチャー企業で働いていた大学時代、新卒入社後のベンチャー勤務時代、そして起業~起業後の会社の設立から成長までを描いた自伝本である。
現代の日本においても、未だ起業という文化はそこまで広く根付いてはいない。
従って、経営者は自分とは別世界の人間のように感じてしまう。(実際それもそうだが)
同書においては、経営者である藤田氏の心境が非常に生々しく描写されている。
キラキラとした側面が取り上げられがちなのが経営者であるが、この本の場合はむしろ逆といっても過言ではないだろう。
会社を経営している中での浮き沈み、気分が高揚することもあれば、株価が急落し、バッシングに晒され、絶望することもある。
藤田氏のジェットコースターのようなスリリングな人生が、彼の高い言語化能力によってつぶさに心境が描写されている。
平凡な人生を過ごすことに対する嫌悪感があり、何者かになることに焦がれていた藤田氏は、いかなる逆境にもめげることなく躍進を続けた。
〇仕事でずば抜けた成果を出し、大きな武器を得ること
藤田氏は元々、営業マン出身である。
大学時代には(株)オックスプランニングセンター、新卒ではインテリジェンスという会社に就職。
両社において藤田氏は、凄まじいハードワークを自らの意思で率先してこなした。
当時20歳。
オックスプランニングセンターにおいては、これから創刊するフリーペーパーの広告営業の仕事から始めた。
(前略)その間私はとても学生バイトと思えないほど一生懸命仕事に打ち込んでいました。夏の暑い日に、毎日外で100件近くの飛び込み営業をするのです。
働き方改革の風潮が強まってきたこともあって、ハードワークに対する後ろ向きな意見が目立ってきた昨今であるが、もし仕事で大きな成果を出し、人より多くお金を稼ぎたいのなら、当然ながら他人より働かなくてはならないだろう。
お金を稼ぐための能力やスキルを培うためには、実践を重ねるほかないからだ。
そして新卒でインテリジェンスに入社してからも、彼は必死に働いた。
自分の目標ははっきりしています。「将来21世紀を代表する会社をつくること。」それに向けてできるかぎり早く、実績を積み上げていかなくてはなりません。
私は最初から毎日終電ぎりぎりまで働きました。土日も当然のように仕事をしていました。
社会における価値は、絶対的なものと、相対的なものの2種類が存在する。
前者は主にクリエイティブな仕事が、それに当てはまる。
例えばミュージシャンが作る音楽は、その人特有の歌声や、その人にしか作れないメロディや独特な世界観がある。
後者の場合は、営業マンや広告ディレクター、エンジニアなど広い職業に該当する。
ある二人の営業マンが居たとして、営業成績が高い人のほうが、市場価値は高くなる。
広告ディレクターの場合であれば、より宣伝効果の高い広告を生み出せる人の方が、市場価値は高くなる。
市場価値が高ければ、その分マーケットは高いお金を支払うし、仕事も集まりやすい。
企業は特定のマーケットにおいて競争しあうし、さながら陣取り合戦のようである。
当然、価値が高い企業が大きくパイを独占することが出来る。
藤田氏は、競争性の高い会社を立ち上げるべく、まず自らのビジネスマンとしての能力をほぼ全ての時間を費やして磨いたのだ。
従ってこれから起業を志す者は、まず今ある仕事でとび抜けた実績を得ることが第一歩であろう。
実績やスキルがあれば、仕事を得ることも相対的に優位な立場につくことができるし、お金も多く稼ぐことが出来る。
そして藤田氏は、会社員時代に培った実績や営業スキルに(食べていけるだけのお金を稼げるという)自信があったからこそ、起業に踏み切ることが出来たのだ。
■To do アクション
✓本業で大きな成果を出すという意思を固める
✓仕事に割く時間を出来る限り増やす
✓どうすれば更に成長できるか?という視点を常に忘れない
〇夢を夢で終わらせない行動力
誰しもが皆、何らかの夢を抱いているはずだ。
しかしチャレンジ精神が広く浸透していない日本では、やはり挑戦することをためらう人が少なくない。
レールから外れることに対する世間の風当たりは、依然として厳しい。
とはいえ、行き場のない情熱を抱えた若者も多数存在する。
「とにかく有名になりたい。」
「とにかく社長になりたい。」
「お金持ちになりたい。」
…こうした願望は普遍的でごく自然なものである。
藤田氏も、元々はそんなどこにでもいるような若者の一人であった。
作家、ミュージシャン、とにかく憧れの職業について、一度しかない人生を送りたいと考えていたので、何でも良かったのです。
彼は中高時代バンド活動に明け暮れていたこともあって、ミュージシャンを志望していた。
しかし自分には音楽の才能がないと見切りをつけ、同じ音楽仲間だった友人に「レコード会社を作ってデビューさせる」ことを約束したことをきっかけに、起業家を志すようになった。
その根底には「平凡な人生」で終わらせたくないという気持ちが強くあった。
…とは言ったものの、我々はまず何から始めれば良いのだろうか?
お金持ちになりたい、有名になりたいという願望は抽象的であって、具体的なプロセスを描きにくい。
では藤田氏のファーストステップは何だったのだろうか。
私は頭の中でイメージしてみました。起業家、社長、スーツを着て革張りの椅子に座っている人…。
そうだ、とりあえずスーツを着る仕事をしよう。
そんなわけで、私が選択した最初の行動は、新しいスーツと「フロムエー」を買いに行くことだったのです。
大学二年生で20歳の頃に彼がまず取った行動は、スーツを着る仕事を探すこと。
そしてその後の働きっぷりは、前述したとおり猛烈なものであった。
彼が起業家に向けて歩んだ第一歩は、ごくありふれた普通のものであった。
(※いわんやその後の働き方が凄まじいが・・・。)
現代における多くの若者が持つ悩みは、「やりたいことが分からない」というもの。
Youtuberやインフルエンサーなど「好きなことでお金を稼いでいる(ように見える)。」の出現により、いつしか好きなことを見つけなきゃいけないという義務感と焦燥感が生まれるようになったのではないだろうか。
しかし頭でウンウンと「自分の好きなこと」を探していても、実は見つけるのが難しい。
ビジネスに結びつけるとなると、なおさらのことだ。
だからまずは何でもいいから「仕事」を始めてみることが不可欠だ。
色々な仕事をやっていくうちに、次第に夢中になっていくだろうし、一定期間やってみて楽しめないのであれば、途中でやめても構わない。
ただし中途半端にやってみても、大した成果も得られないし、仕事の楽しさも分からないだろう。
なので短く期間を定めて、集中してその仕事に取り組んだ方が良い。
仕事を始めたばかりでへこたれてなんかいたら、到底経営者になんてなれない…。
(中略)そんな一生懸命な私を見て、徐々に会社はほかの仕事も任せてくれるようになりました。
スクール情報誌の広告営業に専門学校や英会話学校に行ったり(後略)
つまり藤田氏の場合は、
①起業家になるという熱い夢があった
②その夢を実現させるために、まずは仕事を始めた
③その仕事で成果を出すことに全力で努めた
④会社に評価され、別の仕事も任せてもらえるようになった
⑤更にやりがいを感じるようになり、モチベアップ
⑥高いモチベを伴って働いているので、更にスキルアップ
このようなプロセスを経ている。
起業家に必要な実務スキルを得るために、業界問わず、まずはキャリアをスタートさせた。
「夢」とは往々にして、途方もない目標のように感じられてしまうものだ。
しかし実際は一歩一歩、階段を登っていくようなもの。
まずは踏み出してみない限り、階段を登った先にある目標にはたどりつけない。
従って、目標である入り口にまずは立つことが何より重要だ。
お金持ちになりたいのであれば、まずは仕事を始める。
そして仕事に一生懸命打ち込んで、実績を積めばいい。
有名になりたいのであれば、まずはSNSやYoutubeで発信を始める。
そしてどうすればアクセス数を稼げるか、どういうコンテンツがウケるかを考えながら取り組めばよい。
〇「仲間」集めの重要性
フリーランスとして働くならともかく、会社を運営していくためには、組織を形成しなくてはならない。
当然人が必要だ。
起業の重要ポイントの一つが、「仲間集め」だと言われる。
共に事業を運営していくパートナーはスキルであったり、目指すビジョンの方向性に共感できるかどうか、人間性の相性など様々な要素が問われる。
藤田氏の場合は、会社の同期一人と、オックスプランニングセンター時代の後輩の3人で会社をスタートさせた。
それが現サイバーエージェント取締役兼執行役員副社長である日高裕介氏と、サノウ株式会社代表取締役社長の石川篤氏である。
両名共に、立ち上げ期のサイバーエージェントを支え、寝る間を惜しんで会社に寝泊まりしながらひたすら働き続けたという。
何事も一人でできることには限界がある。
協力者が居るからこそ、どんな物事も早く進めていくことが出来る。
仕事における仲間を見つける上で、重要なのは「その人の人柄やスキル」だろう。
会社を立ち上げて間もない頃、藤田氏は率先して採用活動に注力をしていた。
会社を立ち上げた初年度から新卒採用をはじめ、当時の大学四年生に片っ端からメールを送っていったという。
藤田氏が、採用活動に注力していたのにはある理由があった。
それは彼が勤めていたインテリジェンス時代にさかのぼる。
自分がインテリジェンスに入社したとき、この会社が急成長を遂げているのが不思議でした。当時伸びていた人材派遣業のサービス内容は、他社との差別化は一切なかったからです。
それでも後者にも拘わらず他者をごぼう抜きにしています。(中略)インテリジェンスは採用に非常に力を入れているので、同業他社と比べて明らかに優秀な社員が入社し、その社員が非常に高い士気で頑張っているのです。(中略)採用力は、競争力だー。
インテリジェンスは、ビジネスモデルに優位性があったというよりは、社員そのものの能力によって、他社との競合に打ち勝っていたと分析する藤田氏。
そしてその経験を基に、ベンチャーの未来、インターネット業界の将来性などを熱く語ったのだ。
営業マンとして培ったプレゼン能力が、多くの就活生の心を動かしたのである。
〇金持ちになりてぇんだよ!と思った時にすべき手順のまとめ
あなたがもし、大きいことを成し遂げたいと思っているのなら、以下の手順を辿ろう。
①まず何らかの仕事を始める(在職中ならそれに必死で打ち込む)
②スキルを高める
③実績を残す
④お金を自分で稼げる(会社以外の仕事で)採算が取れたら独立
⑤ネットやそれまでに築いた人脈を伝って、仲間を集める
※仕事で有名になれば、人と知り合う機会も自然と増える。
…である。
成功者のやったことをそっくりそのままマネをしていても残念ながら意味はない。
こと事業に関しては、全くのパクリでは、独自性がないからだ。
そうではなくて、成功した手順の本質だけを抽出し、実行に移せばよいのだ。
元々はどこにいるでも若者だった藤田氏。
「渋谷ではたらく社長の告白」は、私たちが普段見過ごしがちな、夢や目標、願望などを強烈に掘り起こしてくれる一冊だ。
そして読後感がすさまじくアツい。
心がジンジンと燃えて、明日への活力がみなぎってくる。
夢をかなえたい人、熱中した人生を過ごしたい人、とにかく満足のいく人生を過ごしたい人、お金持ちになりたい人、女性にモテたい人、今の仕事が不満な人、人生に疲れた人…。
そんなすべてに捧ぐ一冊こそが、この本である。
ぜひ一度手に取ってみてほしい。
あなたの人生がきっと輝きだすだろう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【第二新卒】第二新卒の転職に必要な視点3つを徹底解説!【実体験】
本記事では、「第二新卒の転職」について、必要不可欠な3つの視点を解説していく。
第二新卒者の転職先の決め方や、労働者としての市場価値の分析、あなたの仕事に対する価値観を見つめる方法などについて、分かりやすく述べていきたい。
今や転職が当たり前となった時代である。
もはや一つの会社に奉公をする昭和的なサラリーマンの価値観は完全に廃れている。
トヨタのような日本を代表する大企業でさえも、「終身雇用の継続は難しい」と発言して話題になった。
従って、会社員である労働者は自分で自分の身を守って働かないといけない。
将来的なビジョンを持って、能動的に労働市場を生き抜いていく必要があるのだ。
つまり今後は、各々が何らかの企みや目的を持って働くことが求められるのである。
さて、キャリアを築く土台となるのが、20代である。
30代以降の職業人生の方向性は、おおむね20代で決まると言っていいだろう。
日本のビジネス社会においては、職歴(実績やスキル)が何より重要だ。
20代の場合、「若さ」や「ポテンシャル」を見込んで、会社に雇ってもらえることも多い。
しかし30代以降となると、「何が出来るのか」「どう利益に貢献できるのか?」が求められるようになる。
そしてそれらの要素は、20代で得ておかなくてはならない。
30代で、それまでの経歴において目立った実績やスキルがない場合、残念ながら厳しい条件を吞まされることになるからだ。
しかし20代の場合であれば、異業種転職のような大幅なジョブチェンジも可能である。
自分が今勤めている会社で働き続けて、その業界で生きていくのか、或いは全く別のフィールドに行くこともできる。
キャリアの土台形成期であるからこそ、成せる行為である。
よって、第二新卒で転職を考えている社会人は、まず今後のキャリアを見定めるにあたって、「どの分野で勝負していくか」を考えるべきだろう。
その為には、あなたが転職に何を求めるか、どう働きたいか、そしてどのようなビジネスマンになっていきたいのかを把握しておかなければならない。
〇転職の目的を明らかにすることがまず第一歩
まず転職をする上で必須となるのが、あなたが転職をする目的である。
ここがハッキリしていない限り、転職は上手くいかないし、短期での離職をまた繰り返すことになる。
転職をしようと思い立った場合、大きく二つの動機が考えられる。
①今の会社に不満があるケース
②他に魅力的な会社が見つかったケース
ネガティブ寄りの動機、或いはポジティブ寄りの動機の二つに大別できる。
そして恐らくこの二つの動機を両方とも抱えている人が多いだろう。
ひとまずあなたが転職をしたい理由や目的を紙に書き出してみてほしい。
世間的に正しいかどうかは関係ないので、自分の本心の赴くままに書こう。
それらはあなたにとっての「目指すべき転職のゴール」となるからだ。
ゴールが定まっていれば、自分が取るべきアクションもはっきりと見えてくる。
転職における失敗でありがちなのが、「転職をすることそのもの」が目的となってしまっているパターンである。
今勤めている会社がとにかく不満な人がこの失敗に陥りやすい。
(※心身の健康を著しく損ねるような会社ならすぐ辞めるのが正解です!)
もちろん会社の環境に耐えられないのであれば、すぐ辞めるのが正解だろう。
うつ病にでもなってしまったら、せっかくの人生が台無しになってしまう。
そういう時は会社を辞めてゆっくりと心身の休養に専念すべきだ。
しかし、もしその後再び会社員として働いていくのであれば、やはり転職に求める要素や目的は、考えておくべきだろう。
また同じようなブラック企業に入りたくない!という思いは、全ての早期離職者の総意であることは間違いないはずだ。
日本は職歴が大事な国だと先ほども述べたが、短期離職は1度は許容されても2回はNGという風潮がある。
つまり今後の転職が厳しくなってしまうし、自身のキャリア形成にもマイナスな影響を及ぼしてしまう。
同じ過ちを繰り返さず、自分が満足できる転職をするためには、転職の目的を明らかにすることが必要不可欠だ。
〇自分の志望する業界が決まった後に考えること
転職をしたい理由や目的がある程度定まってきただろうか?
次に考えるべきは、「その会社及び業界との需給バランスのマッチ度」である。
会社が人を雇うとは、どういうことかをシンプルに捉えてみよう。
会社は存続し続けるために、利益を出さなくてはならない。
そしてその利益は、人による労働によって生み出される。
単純な労働によって生み出される利益もあれば、高度な知識やスキルに基づいた労働によって生み出される利益もある。
後者のようなポジションに就いていた人員が不足した場合、会社の収益が減ってしまうので、コストを費やして埋め合わせをしなくてはならない。
だから企業は求人募集を出して、不足した人員を補充しようとする。
「こういう能力があって、こういう経験がある人であれば、この業務を任せられる。」といった具合に、当然ながら企業には人材に求める条件がある。
要約すれば、転職市場=即戦力採用が基本となる。
会社が求める条件を満たしていない限り、求職者は雇ってもらえない。
転職市場においては、労働者=商品となる。
企業はお金を払って、人を雇うのである意味当然である。
よって、「自分という商品」が、その企業や業界に買ってもらえるのかどうかが全てとなる。
実績やスキルは、自分の市場価値(=商品としての値段)を上げる重要な要素だ。
つまり市場価値が高ければ、それだけ転職も上手くいきやすい。
しかし、単に「若い人材」が欲しいという企業も多数存在する。
組織としての若返りを図るため、今後も組織を維持していくためには長期的に働ける人員を確保する必要があるからだ。
そこでまずは、自分が志望する会社及び業界には、どのようなニーズがあるのかを分析してみることから始めよう。
求人の募集要項には、必ず企業が求職者に望む条件が記載されている。
そこに目を通して、自分がマッチするか否かを見よう。
第二新卒の場合、自分が志望している企業の募集要項を満たしていないことが多い。
特に異業種転職となると、経験さえもない。
そして、職歴や経験、スキルなどが他の労働者と比べてどうしても劣ってしまう。
※もちろんアピールする方法もある。
従って「若さ」を武器にしつつ、第二新卒採用を積極的に行っている企業を探してみよう。
転職サイトで、第二新卒というキーワードを入力して求人を検索すれば多くヒットする。
↓参考記事↓
新卒2ヶ月目の私が12社の転職サイトを使ってみた結果と感想を書いてみる - ビジネス思考の解剖
例えば、第二新卒で異業種転職に挑戦するとなると、まずは未経験でも雇ってもらえる企業で働くことが必要となる。
そこで経験を積んで、同業界内で別の会社に転職するのもアリだし、その会社で働き続けるのもまた然り。
もし同業界内における第二新卒の転職を希望しているのであれば、今の会社に留まってその転職先に求められる経験や実績、資格を得てからでも遅くはないし、成功確率も高まる。
しかし同業界内の転職であれ、異業種転職であれ、今の会社で働き続けても成長が見込めないと判断したのなら、早めに転職をした方が時間を無駄にしなくて済む。
冒頭に述べたように、20代の内にある程度スキルや経験を得ておかないと、30代以降のキャリア形成において苦労してしまうことになるからだ。
〇あなたの仕事の対する価値観はもう既に見えている
私は会社で働くとは即ち、お金とスキルを得ることだと思っている。
もちろん働かないと生活していけないので、お金が大切だが、スキルを得ることもまた大切だ。
なぜならスキルがあれば、もっとたくさんお金を稼げるようになるから。
従って、転職は「よりお金とスキルが得られるフィールドに身を移すこと」でもあると思っている。
今の会社に居続けることが、お金とスキルの双方の観点においてメリットがあればそっちを選ぶし、転職した方が得ならば転職をする。
しかし、これはあくまで私の価値観だ。
始めに、転職の目的をあなたなりに考えてもらったと思う。
それは単に転職を成功させるためだけでなく、あなたの仕事に対する価値観を見つめなおす作業でもあるのだ。
仕事にやりがいがないから、転職をしたいと思ったのなら、あなたは仕事にやりがいを求めるタイプだということが分かる。
営業という仕事が向いていないと感じたのなら、他に向いている仕事があるのかもしれない。
アットホームな人間関係が苦痛だと感じたのなら、あまり人と話さずにできる仕事が向いているのかもしれない。
転職動機を考えることは、今後のあなたの働き方を見つめなおすきっかけとなる。
多くの人は、一日に1/3の時間を費やして仕事をする。
だとしたら、仕事をしている時間がなるべくなら楽しい方が、人生の幸福度も増すだろう。
あなたの人生をより充実させるためにも、転職先を探すことをきっかけに仕事に対する価値観を分析してみよう。
■最後に
世の中には、数百万もの企業が存在する。
業界や職種も多種多様で、どんな仕事を選べばいいのか迷ってしまうこともあるだろう。
だが最終的には、あなた自身の判断で、自分がやる仕事を選ぶことになる。
判断基準は他の誰でもなく、自分自身だ。
満足のいく判断をするには、自分の価値観や物の見方、仕事に求める要素をなどを把握しておくことが重要だ。
そこで、本記事が少しでもあなたにとって参考となれば幸いである。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【第二新卒】新卒で早期離職した場合の「第二新卒の転職先の探し方」を徹底解説する
もはや転職が当たり前となった時代。
終身雇用の崩壊どころか、20代の転職も珍しくなくなった。
「一つの会社で長く勤めて働く」という働き方は、廃れつつある。
様々な職や会社を転々とすることはもはや一般化しつつある。
20代が転職をする理由は、様々ある。
・今の職場ではスキルが身につかないから
・給料が安いから
・仕事がキツイから
・人間関係に不満があるから
・他にやりたいことが見つかったから
・自分が望む業務に就けなかったから
・残業時間が長すぎるから
などなど、他人によって退職理由は異なるが、大まかに言えば上記の理由のうちのどれかに当てはまるだろう。
以下は厚生労働省が平成30年10月に発表した新卒就学者の離職状況をまとめたグラフである。
出展:厚生労働省(報道発表資料)
どの年を見ても、新卒就就職者のうち、三年で三割が会社を辞めている。
1年目にして会社を辞める社員もおよそ10パーセント前後の推移だ。
早期離職の原因の本質は「企業と労働者のミスマッチ」である。
上記に挙げた理由のように、自分が望む業務とは異なることを行う部署に配属されたり、入社してからブラックな企業体質に気づき、「こんなはずではなかった・・・。」と後悔したり、様々なミスマッチが存在する。
そしてこのようなケースは誰にでも起こりうる。
日本の新卒の就職活動は、言ってしまえば「騙しあい」の側面があることは否定できない。(もちろん全ての企業、全ての大学生に当てはまるわけではないが。)
求職者側は、自分が志望する企業に選んでもらうために、最大限自己アピールをする。
等身大の自分で面接に臨むことが大切とは言われているものの、やはり自分の見せ方には工夫せざるをえない。(企業にとって必要だと思える人材であるということを演出するため)
企業側にとっても、新しく若い人材を採用しない限り、組織は存続し続けることができない。
従って、求職者側にとって魅力的に映るように、企業も最大限の努力をする。
求職者側も企業側も、時として不都合な点を隠す。
隠すというか言わない。
目的達成を阻害するような行為はわざわざ行わないのが当然だ。
よって、「面接で聞いていたことと違う。」「こんな仕事をやらされるなんて聞いていない。」と、時として新卒で入社した会社員は困惑することになる。
…このようにして、どんなに求職者側が注意を払っていても、綿密に調べ上げたとしても、企業と求職者側における認識のズレが生じてしまう可能性はある。
(これは企業側にとってもそうだ。面接では高評価に見えた人材が、入社するや否や実はポンコツだったという可能性も内包している。)
新卒で早期離職をしたとしても、大多数の人間はまた別の仕事を始めて、生活するためのお金を稼いでいかないといけない。
つまり、別の会社に転職をすることになる。
しかし社会に出たばかりの会社員は、転職に関する始め方やノウハウを把握していないのが普通だ。
そこで本記事では、「新卒早期離職者の転職先の探し方」を徹底的に解説していきたい。
〇会社を辞めた理由を一つずつリストアップする
まずは、なぜ自分が会社を辞めることになったのか?をじっくりと考えよう。
できれば一つ一つその理由や原因を紙に書きだして、明確な状態にしておくと良い。
会社を辞めた理由は、世間的に正しいかどうかは関係なく、自分の本心で考えてほしい。
とにかく自分の本心と向き合うことが重要だ。
例えば、いくつか想定されうる「会社を辞めた理由」を挙げてみよう。
・配属された勤務地が遠すぎたから
・パワハラorセクハラしてくる上司が複数人居たから
・長時間労働に耐えられなくなったから
・業務内容が自分に合わないと感じたから
・他にやりたい仕事が見つかったから
・新卒での就活がうまくいかず、夢を捨てきれないから
・休日数が少なかったから
…しっかりと書き出せただろうか?
自分が仕事をしていて不満だったこと、職場において不満だったことを遠慮なくドンドンまずは書いてみよう。深く考える必要はない。
なぜここで辞めた理由を挙げたかというと、次に選ぶ職場の基準になるからだ。
「こういう条件の会社は辞めとこう」と消去法で会社を選び出すことも、一つの方法であり必要な観点だ。
また会社を辞めた理由には、自分の希望も隠されている。
・残業が多い➡残業が少ない会社で働きたい
・今の仕事が合わない➡他にやりたい仕事がある・今の仕事は向いていない
・転勤が多い➡一つの場所で働きたい
つまり(必ずしもそうとは限らないが)「会社を辞めた理由の反対」こそがあなたが求める条件であることが多い。
数十年に渡って仕事をしていくのであれば、できるなら自分の希望に合った職場であることが望ましいはずだ。
まずはあなたの希望をはっきりさせよう。
〇職場に望む環境は何?
次に考えるべきは、あなたが望む職場環境だ。
これもまた、なるべく紙に書きだすことが望ましい。
前章で挙げた、会社を辞めた理由と重複することもあるかもしれない。
(通勤時間が長すぎた、僻地に配属されたことが不満だったなど)
あなたが望む勤務地、通勤時間、全国転勤を受け入れられるか否か、オフィスは綺麗な方が良いか、あまりこだわらないかなどを考えてみる。
また職場環境と言えば、外せないのが職場の人間関係である。
ベンチャー気質の社風がいいのか。
体育会系の社風がいいのか。
或いは大人しめな社風がいいのか。
自分のこれまでの人間関係や、過去に所属してきた組織との相性などを振り返り、自分が好む雰囲気の社風を考えてみよう。
入社前に組織の雰囲気や社風を、詳しく正確に把握することは難しいので、面接や会社のHP、ネットの口コミなどを見て、自分なりに見極める必要がある。
〇何の為に転職するか?をハッキリさせることが不可欠
ここまでくれば、あなたが職場に求める条件がある程度整理されてきたはずだ。
しかしもう一つ忘れてはいけないことがある。
それは「何の為に転職するか?」というあなたの転職動機である。
今後仕事を続けていくうえでの、あなたのモチベーションを支える精神的土台となるのが、転職動機だ。
転職動機を考える上で必要なことは以下の記事に書いたのでぜひ。
【実体験】新卒3ヶ月目で転職活動をする上で、絶対に必要なたった一つのポイントとは? - ビジネス思考の解剖
「なぜ自分は働いているだろう?」とふと我に返った時、自分に何かしらの信念や動機があれば、それは自分を動かす原動力となり得る。
「俺はこれがやりたくて働いている。」
「私はこれを叶えたくて働いている。」
必ずしも、仕事をする理由に大義名分を持つ必要はないが、あるに越したことはないだろう。
またどの企業の面接においても、転職の経緯や理由は必ずと言っていいほど、深く聞かれる。
従って、「転職動機」は必ずあなたが考えておくべきポイントである。
なぜあなたは転職したいのだろう?
今の会社をとにかく辞めたかったから、という人も居るし、自分の望むキャリアを形成するために転職をしたという人も居るだろう。
面接で聞かれる質問には、全てWhyがつきまとう。
そのWhyに対して、明確な受け答えがしっかりできれば、企業側からの評価も高まりやすい。
逆に言えば、転職に関する動機を分かりやすく伝えることが出来なければ、望むような結果は得られない。
会社を辞めた理由を振り返るのは、あなたの過去の整理。
職場に臨む環境や、何の為に転職するのかを考えることは、あなたの未来を描いていくことである。
〇絶対に譲れない条件を1つか2つ決めておく
とはいえ、あなたの希望する全ての条件を転職先で叶えることは難しい。
いわんや第二新卒や新卒早期離職者は転職市場においては、立場があまり強くない。
あれもこれも選べる状態にないのが、新卒早期離職である、というのが現実だ。
そこで、絶対に譲れない条件を一つか二つ決めておくといい。
「勤務地だけは譲れない」
「多少キツイ環境でもいいから、自分のやりたい仕事がしたい」
「給料は安くてもいいから、とにかく定時で帰りたい」
などなど…。
あなたが職場に臨む環境の要素に、優先順位をつけておこう。
残念ながら、全てにおいて完璧な会社というのは存在しない。
必ずどこかしらに問題は存在するし、目を瞑って働くことになる。
人それぞれどうしても我慢できないこともあるだろう。
逆に一般的な観点から見れば、忌み嫌われるようなことであっても、あなたにとっては許容できることだってあるかもしれない。
例えば私の友人は、「残業するのは全然構わないが、意味のない単純作業をこなし続けるのが嫌だ。」と言っていた。
この場合、彼が求める優先事項は「仕事のやりがい」であって、彼にとって許容が可能である残業は優先順位としては低い。
人それぞれ仕事や働き方に対する価値観は異なるので、あなた自身はどういう働き方が理想なのか?を自分自身で考える必要がある。
そして複数思い浮かんだら、それらをランキングにしてみよう。
■最後に
転職先を選ぶには、自分が納得のできる判断基準を明確にしておく必要がある。
そうでないと、再び転職先で同じような不満を抱えてしまうことになる。
だとしたらせっかく転職活動に費やした時間が無駄となってしまう。
自分の納得のいく転職をすることは、自分の人生を豊かにするためだ。
あなたの人生を満足させるためには、時として転職という手段が必要となるだろう。
少なくとも一日の1/3の時間を費やして、数十年に渡って働くことになる。
従って、仕事をしている自分が精神的に満たされていれば、あなたの人生もまた幸福なものとなる。
社会的な常識や、周囲の雑音に惑わされることなく、あなたが仕事や職場に臨むこと、逆に避けたい事を明らかにしたうえで、自分の将来の方向性を決めてみよう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【第二新卒】新卒3ヶ月目で転職活動をする上で、絶対に必要なたった一つのポイントとは?
若者の早期離職とは、いつの時代においても企業を悩ませる大きな問題である。
なぜなら採用活動にはコストがかかるし、新卒採用であれば1から育成する必要があるため、会社の利益にならないどころか最初の数か月や数年は赤字となるからだ。
当然のことながら、企業は利益を生み出すための人材を補充するために、採用活動をしている。
新卒採用とは、投資である。
将来、企業に利益を還元できる社員にすべく、給料を払って仕事を教え込んでいる。
従って新卒で雇った人間が早期に辞めてしまうことは、投資に失敗したことになる。
投資に費やしたお金を回収できないとなると、企業にとっては損でしかない。
だから企業にとっては絶対に避けたい失敗が、新卒の早期離職なのである。
当然辞める側にとっても、言い分はある。
面接で聞いていた話と違った待遇や業務をさせられたり、早くも長時間に及ぶ残業を強いられたり、パワハラが横行している職場であったり、様々な原因によって早期離職を選ぶ新卒社会人は少なくない。
以下の記事において、このようなデータが述べられている。
11.8%が“半年未満”で離職する。「超早期離職」問題|研究プロジェクト|リクルートワークス研究所
全体としては3年以内に離職する者のうち、5.2%が1か月未満、9.9%が1か月以上3ヶ月未満で離職しており、更に10.8%が3ヶ月以上6ヶ月未満で離職している。
大卒者においては、約10人に一人が「超早期離職」という決断をしている。
もちろんそれぞれやむを得ない事情によって、早期離職をするに至ったはずだ。
早期離職=悪い事という社会通念は広く日本社会に浸透しているからだ。
しかしなんらかの原因で、職場とミスマッチを起こしてしまうことは、誰にとっても起こりうる。
全ての人間が、全て正しい選択肢を選ぶことなど、ほぼ不可能だからだ。
自分の就職した会社が不本意な職場であると感じた場合、2~3年我慢する人も居れば、早く見切りをつけて転職に踏み切る人も居るだろう。
どちらにもメリットデメリットはあるだろうし、一概にどちらが正しい選択とは言い切れない。
本記事においては、超早期離職者(新卒3か月前後)が、転職活動で心がけるべきアクションをまとめていきたい。
〇早期離職の不安を払拭することが最重要であり、本質である
先ほども述べたように、早期離職は企業側にとってマイナスでしかない。
新卒一年目は会社の戦力にはなりにくい。
新卒の社員にすぐ辞められてしまうことは、コストを無駄にするだけになってしまう。
従って新卒の早期離職者が転職活動をする際は、この不安を出来る限り払拭しなくてはならない。
即ち、第二新卒(大学卒業後三年以内の社会人)の転職で最も重要なのは「長く勤める人間であるということを明確にアピールすること」である。
一般的に言えば、新卒早期離職者及び第二新卒は目立ったスキルや職務経験を有していないことのほうが多い。
もちろん新卒採用と違って、熱意や思いだけで高く評価されることは残念ながらない。
そこで、前職での経験やスキル、学んだことをアピールすることも重要である。
だがそれらは面接官側にとっては、「できて当たり前」だと認識されることが多いので、熱意が必要となるのだ。
第二新卒の採用は、「ポテンシャル採用」である。
即ち企業は、その人の将来の可能性を見込んで、採用するかどうかを決める。
やる気や熱意が感じられなければ、そもそもポテンシャルなどあるはずもないし、自分のスキルや経験を上手くアピールできれば更に良い。
とにもかくにも、面接で意識すべ事は「早期離職の不安の解消」である。
全ての応答は、このゴールに向かっていると言っていい。
〇退職理由を明確にしたうえで、前向きなパッケージに包む
中途採用において、もっとも深堀りされる事項は、退職理由である。
従って、「なぜ自分がその会社を辞めたか?」というのを明確にしなくてはならない。
…それだけではなく、ポジティブに伝えることが必要不可欠だ。
「長時間労働が多かったから~」
「前の上司が嫌いだったので~」
「仕事が楽しくなかったから~」
これらの理由は、仮にあなたの退職理由であったとしても、面接の場においては口に出してはいけない。
「じゃあウチの会社も仕事が忙しくなってきたらまたすぐ辞めてしまうのか?」
「人間関係の相性まで管理しきれないし、雇ってもすぐに辞めてしまうかもな」
と、懸念されてしまうのがオチだろう。
繰り返し述べているように、早期離職再発の不安を解消しなくてはならないからだ。
少しでも疑念を持たれてしまっては、面接の雲行きが怪しくなってしまう。
ポジティブな退職理由とは何か?
以下にいくつかの例を挙げてみる。
①他にやりたいことが出来た。
➡今の会社ではそれが実現できず、転職しないとそれが達成できないという理由の裏付けができる。(転職の経緯に説得力を生むことができる)
②将来の長期的なビジョンを示す
➡長期的なビジョンを伝えることで、「その会社で長く勤めたいという意思」をアピールすることが出来る。
③その会社でないといけない理由を伝える
➡入社意欲の高さをアピール(=すぐには辞めないことを間接的に示唆)
➡会社とのミスマッチから生じる早期離職もないことをアピールできる
④早期離職に対する反省の気持ち
➡社会的な価値観に照らし合わせれば、早期離職は許容されない風潮にある。いわば自分の失敗なので、反省する気持ちともう同じことを繰り返さないという決意を伝える。
退職理由においては、「前向きな理由」と「長く勤めたいという意思」、そして「反省の気持ち」の三要素が求められる。
この三つが揃えば、アナタの転職理由も明確なものとなるし、企業からも一定の評価を貰うことが出来るだろう。
〇新卒就活の失敗に対して私が思うこと
…とここまで偉そうに書いてきたが、私は新卒の就活を失敗した人間である。
21卒として大学を卒業し、まだ入社して2ヶ月目だ。
この時期の転職活動など、早期も早期、社会的に見れば常識外れであることは間違いない。
しかもこのコロナ禍における不況の時代。
転職市場は一転して、買い手市場へと変化した。
即戦力となるような人材しか基本的には評価されない厳しい状況下にある。
とはいえ、それでも転職をしたいという気持ちを抑えられないのだから仕方がない。
閑話休題。
新卒の就活で失敗した後に取るべき選択肢は、大きく分けて2つある。
①その会社でスキルや経験を積むために一生懸命働く
②自分の望む環境に身を移すために、早期に転職活動を行う
私の場合は、元々は①であった。
希望する業界及び会社に就職することはできなかったけど、まずは内定を頂けた会社で、与えられた仕事に全力を尽くそうと思っていた。
この考えは間違っていない、それどころか、とても正しい選択だ。
どんな仕事からでも学べる知識や得られるスキルはきっとある。
…しかし私は、ワガママで甘えた性格なのだろうか。
やはりどうせ働くなら、自分の志望する業界で精一杯働きたいと思うようになった。
学生時代の憧れを捨てきれていない未熟者なのだ。
職歴を積み重ねることが、社会的な信用を得るために必要であるということは、重々承知だが、だからといって私はやりたいことを諦めていい理由にはならないと思っている。
もちろんそれが世間に許容されるかというと、無理なのだが。
思うに、誰の人生にだって失敗はある。
就職先を間違えることだってあるし、結婚相手を間違えることもある。
何らかの失敗をした後のリカバリー方法は複数あるし、人によって取る選択も異なる。
会社選びにおいても、我慢して慣れるまで続ける人もいれば、早めに見切りをつける人だっている。
どちらが正しくて、どちらが間違っているのか、というような簡単な二元論で片付くことでもない。
例え社会通念にそぐわない行動であっても、自分の感情や思考に従っても良いと思うし、腹をくくった以上は、自分の目標を達成するために全力で動くべきだ。
〇転職活動は「自分を売り込むこと」
企業が人を雇う場合、当然だが人件費がかかる。
その人件費に見合うだけの価値、あるいはコストを費やしても良いと思われる人材であることをアピールせねばならない。
第二新卒のような「持たざる者」の戦い方としては、ポテンシャルのアピール、そして「自分という人材を雇うことに対する投資」にGOサインを出させること。
ドライに考えれば、やる気も熱意も反省も、その為に必要な手段である。
退職理由や会社を選ぶ理由は、正直なところ何でも良いとは思う。
「給料が安いから不満だ」とか、「仕事にやりがいを感じないから」といった理由はごく自然である。
ただそれらをあけすけに面接で言う必要はない。
自分を過剰に取り繕う必要はないが、マイナスな要素をわざわざ表に出すのは避けた方がベターだ。
■最後に
就職先にミスマッチが生じてしまったことは、いくら嘆いても致し方ない問題である。
偉いおっさん達から見れば、「つべこべ甘えてないでまずは三年働け」とお叱りを食らうだろう。
三年勤めないと仕事の本質は見えてこないし、仕事の魅力にも気づけないし、向き不向きも分からない。
しかし異業種転職をしたいのであれば三年間居る必要もないし、労働環境が極端に劣悪な職場である場合もまた然り。
「今の会社で三年働く価値があるかどうか」は結局自分の頭で考えて決めるしかない。
もし早期に転職をするという決断をしたのであれば、本記事に書いてあるようなポイントに留意したうえで、選考突破の役に立ててほしい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【第二新卒】新卒で入った会社を辞めたいと思った時にすべきこと3ステップ!
私は新卒就活に失敗した人間である。
不完全燃焼の状態で、自分の気持ちに納得がいかないまま、就職難を恐れて妥協して(失礼な表現だ)今の会社に入社することを決めた。
しかし、やはりどうも自分の気持ちに嘘をつくことができないし、我慢ができなかった。
「自分が求めていた居場所はここではない」というモヤモヤを引きずっていた。
そんな経緯もあって、私はなんと新卒入社1週間後には転職サイトに登録していた。
転職エージェントとの面談も片っ端から受けまくった。
だったら最初からそんな会社入らずに、もう少し就活続けておけよとの指摘が飛んできそうだが、何も言い返せない。笑
私は就活を比較的早めに始めた方だと思うし、就活に捧げた時間の総量も決して少なくはなかった。
しかし私の実力不足か、はたまた努力の方向性が間違っていたのか、思うような結果を得ることが出来なかった。
ようやく内定を貰えたのが、大学四年の10月だった。
一般的に見れば、かなり遅い時期での内定である。
多くの会社で10/1に行われる内定式以降の内定獲得であった。
私自身その時期は常に焦っていたし、不安も大きかった。
就職留年をする金銭的余裕もない。
内定を頂いた会社は、私が志望する条件と一部重なっていたため、入社することを決めた。
「自分の希望は叶わなかったけど、仕事に全力で取り組めば面白くなるだろう。」
半分マジの気持ち、半分は自分を無理やり納得させるために言い聞かせていた。
しかし、自分の本当の気持ちにはそぐわないため、自分をごまかし続けることに限界が来る。
なんなら入社前(1~3月)の時点で「やっぱこの会社じゃないよな~。でも今更就活しても間に合わないだろうし・・・。」という不安や違和感があった。
あくまで私の意見であるが、違和感は大切にした方がいい。
論理的な思考の基に物事の是非を判断するのが一番正しいが、直感的な感覚も見逃してはいけないと今になって思う。
それは会社選びだってそうだ。
「なんとなく合わないな。本当はあの仕事がしたいな」という感覚をスルーしてしまうのもどうかと思う。
もちろんどんな会社も完ぺきではないし、全てが自分の思い通りな環境の会社など、どこにもないが。
前置きが長くなった。
そんなこんなで私は、新卒一か月目の時点で、会社を辞めたいと思っていたし転職活動をしていた。
そこから自分なりに得られた知見や、すべきアクションを述べていきたいと思う。
同じ境遇に居る読者の皆様にとって少しでも役に立てば、これ以上の幸いはない。
①辞めたい理由を整理する
まずはここから始めるべきだろう。
辞めたい理由をリストアップすることで、自分の置かれた状況を客観視できる。
また辞めたい理由がハッキリしていれば、次の会社を選ぶときに避けるべき事項も分かるからだ。
「今の会社の不満な点は〇〇だったから、次はそれがない会社にしよう」といった具合だ。
仕事に対する自分の価値観をはっきりさせることだってできる。
例えば私の場合は、以下のような理由が挙げられる。
■私が転職を志望するに至った理由
・本当にやりたい仕事を我慢したくないから
・(上に付随して)転職して自分のやりたいことを叶えられる環境に身を移したいから
・今の会社ではキャリアアップが望めないから
・スキルを得られるような仕事ができるまで数年かかるから。(その時間がもったいない)
・異業種転職は若いうちの方が良いから
私の場合は、人間関係に関する不満はなかった。
しかし自分のやりたい仕事にやっぱり挑戦したいという気持ちがドンドン膨れ上がっていったし、今後のキャリアを考えてみても、今の会社に居るビジョンが描けなかったので、悶々とした気持ちを抱えつつ転職活動をしている。(世間的には「甘え」と言われるだろうが)
閑話休題。
…さて、辞めたい理由を書き並べることはできただろうか。
ここでもうひとつ重要なポイントがある。
それは、自分が挙げた理由(=不満な点)が「今の会社で改善できるかどうか」「自分のアクション次第で達成できるかどうか」である。
(詳細は後述に譲るが、転職の際の面接に重要となるからだ。)
例えば「自分には向いていない(気がする)」という理由であれば、努力次第で改善や工夫を重ねていけば、慣れてくるのかもしれないし、時間を追うごとに技術が向上していくのかもしれない。
自分の力では解決できない不満な点が複数あるかどうかが、転職すべきか否かの判断基準になるだろう。
もし自分ではどうしようもない問題点が複数あった場合、その会社に居続ける限り、それらの問題点をずっと我慢し続けることになる。
果たしてそれが自分にとって許容できる範囲なのか否かを見定める必要がある。
②今の会社に居るメリット・デメリットを考える
自分の力ではどうしようもない不満点は、ずっとそのまま存在し続ける。
ホメオスタシス、つまり現在ある環境を維持しようとする動力は、我々の社会にも作用している。(と私は考える)
従って、基本的には自分一人の力ではどうしようもないのが現実だ。
しかしそれらをやり過ごしてでも、何かしら複数のメリットが得られるのなら話は別だろう。
物事を判断する基準は人によって様々だが、その中でも「損得勘定」はやはり重要な指標となりえる。
メリットとデメリットをリストアップし、天秤にかけてみることも、転職をすべきかどうかの判断基準となるだろう。
例えば以下のようなメリットを想定してみよう。
■ある会社で働くメリット
・仕事はキツイが、営業力は身につく
・激務だが、幅広い業務に携わることができる
・将来の目標の実現のための、ステップアップとなり得るようなスキルが身につく
などなど…。
ちなみに私の場合は、汎用性のあるスキルが身につくような会社でもないし、ニッチな産業なので転職にも活かしづらいと判断した。
それに私が志望している業界は、今の会社とは違う業界職種なので、だとしたら少しでも若いうちに転職をした方が良いだろうと判断した。
大幅なジョブチェンジは若いうちにしかできないのだ。
詳しくはコチラを読んでみてください。
新卒二ヶ月目にして転職活動を行っている私が「異業種転職」について考えてみる - ビジネス思考の解剖
話を戻そう。
今の会社に居るメリットを整理し、そのメリットが自分の将来に利益をもたらすと判断したのなら留まった方が得策であろう。
なにせ日本は職歴が命の国だし、基本的には複数回の転職はあまり好まれない傾向にあるからだ。
しかし転職したい理由が明確であり、尚且つ転職の方が自分にとって有益であると判断したのならば、逆に転職しない理由がない。
③転職したい業界の志望理由を考える
さて、辞めたい理由と今の会社に居るメリット・デメリットは整理されただろうか。
ちなみになぜこの作業が必要であるかというと、「職務経歴書の作成」に必要であり、また面接での受け答えでも必ず聞かれるからだ。
頻出の質問を下記に並べてみる。
■新卒早期離職者・第二新卒者が転職でよく聞かれる質問
・なぜ転職しようと思ったのですか?
・前の会社を辞めた理由は何ですか?
・前の会社であなたの不満を解決するために、できる限りの努力はしましたか?
どうだろう。
私が①と②で挙げた作業を終えていれば、これらの質問に関しても、自分なりの理由でしっかりと答えられるはずだ。
もちろん私も①と②の作業は徹底している。
そうでないと面接で上手く受け答えができないからだ。
…とはいえ、職歴が短すぎるので書類選考で弾かれることの方が圧倒的に多い。
世の中は「信用」がとにかく重要視される。
職歴の短い人間は、残念ながら信用されがたいのが現実だ。
だからこそ、数少ない面接のチャンスをみすみす逃してはいけない。
※私は書類選考がことごとく通らない
従って①と②を徹底したうえで、新たに③で示した「転職したい業界の志望理由」も明確にしておく必要がある。
自分の気持ちがハッキリと整理されていれば、転職活動も納得のいくものとなるだろうし、モチベーションも上がるし、後悔する確率を下げることが出来る。
尚且つ、面接での返答に困ることもないはずだ。
…言語化さえしておけば、自分の気持ちや経緯、置かれている現状を相手に過不足なく適切に伝えることが出来る。
いわんや面接はコミュニケーションの場でもあるので、分かりやすく相手に伝えることができなければ、望むような結果は得られないのだ。
なのでノートに書き留めておくことは、怠ってはいけない作業である。
■最後に
私含め21卒の就活は不本意な形で幕を閉じてしまった人も多いはずだ。
偉いじじいの価値観でこの社会は回っているし、抗うことのできない大きな力でもある。
だから短期離職に関して、問題視されることは避けられない。
世間の常識(=じじいの価値観)で社会は動いているからだ。
…しかしだからと言って、自分の気持ちに嘘をつく必要はないと私は思うし、周囲や転職エージェントからは冷たい言葉を投げかけられることもあるが、自分が正しいと思った道を行くほかない。
自分の人生は自分のものでしかない。
そして自分の信念を貫くための支えとなるのが、「言語化された理由や思考」である。
ここが明確であればあるほど、自分の行動や判断に迷いがなくなる。
転職するにせよしないにせよ、自分の人生を充実させることが第一目的だ。
その道中に我々は居るということを決して忘れてはいけない。
やっていきましょう。
私こそ頑張らないといけませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
【第二新卒】新卒で入った会社を辞めたいと思った時、転職エージェントを使うべきか?
私は、新卒就活に失敗した21卒の社会人だ。
就活をしていた頃は、志望している業界の企業から無数のお祈りを食らった。
(あれはマジでキツかった。)
就活を始めた時期は3年の夏だったので、就活に捧げた時間は長かったと思うし、出来る限りの努力はしたつもりだが、良い結果を出せなかった。
内定を頂いたのも、大学4年の10月だった。
一般的に見れば、かなり遅い方だろう。
私も焦っていたし、とにかく内定を獲得しなきゃという気持ちに押し潰されそうになっていた。
そんな中でようやく内定をGET。
正直、自分が志望していた業界ではなかったし、気持ちは満足していなかった。
しかしその頃には、もう自分が希望する業界や企業の求人は残されていなかった。
就活戦線はもう佳境に入っていた。
そんなこんなで不完全燃焼のまま、内定を頂けた会社に入社することを決めた。
「このコロナ禍で就職難だし、就職浪人するとなると先の見通しが不安だ。」という思いもあり、(非常に失礼な表現だが)妥協して就活を終えたわけだ。
しかしやはり、就活生時代の憧れや熱意を捨てきれていない自分が居た。
本当にやりたい仕事はこれじゃない。俺が望んでいた環境はここじゃない、と。
いつしかその気持ちが膨れ上がり、ついに自分をごまかすことが出来なくなった。
会社に入る前(1~3月)の時点で、「ん~この会社微妙だよなぁ~。でもやってみないと分からんし!まずは熱中してやってみよう。」と何度か自分を説得していた。
私は我慢ができない性格なのだろう。
そういうセルフ説得もついに意味をなさなくなった。
そして私は新卒入社して、わずか一週間後には転職サイトに登録していた。
最初の段階で、「あ、やっぱこの会社じゃねえわ」となっていたわけだ。
だったら最初からそんな会社に入るなよ笑ということなのだが。
そこから現在に至るこの約二ヶ月で、色々な転職エージェントと面談した。
良い経験もあったし、そうでないこともあった。
そこから得られた知見もたくさんある。
前置きが長くなった。
本記事では、多くの転職エージェントと面談した私が思う「新卒早期離職者は、転職エージェントを使うべきか否か?」について述べていきたい。
転職エージェントには良い面もあればそうでない面もある。
もし彼らに相談するのならば、ある程度注意が必要だ。
勿論メリットも大きいのだが。
〇転職エージェントを使った方が良い事例
結論から言えば、転職エージェントを使う必要があるかどうかは、人や状況によって異なる。
転職エージェントを使った方が良い(あくまで推奨だが)ケースは以下の3つだ。
①転職活動をどう始めたらいいか分からない人
②色々な求人を見ておきたい人
③非公開求人を探したい人
まず①について。
私含め新卒早期離職者は、当然のことながら転職に関するノウハウがほとんどない。
なのでファーストステップとして、まずは転職エージェントに相談してみることで、転職における概観を掴むことができる。
概観が分かれば、後はネットや書籍で足りない情報を補っていけばいい。
エージェントによっては、職務経歴書を作成してくれたり、面接対策を一緒にやってくれるので頼ってみる価値はあるだろう。
逆に全部自分で調べて考えて行動できるならば、エージェントに頼る必要はない。
次に②であるが、転職活動においては、自分の納得のいく転職先を見つけることがゴールであろう。
従ってある程度、選択肢は多い方が良いはずだ。
尚且つ(私がそうなのだが)新卒早期離職者は、書類選考が中々通らない。
そうした観点から見ても、持ち駒は大いに越したことはない。
自分で転職サイトを見て求人を探しつつ、転職エージェントからも求人を紹介してもらう。
この二つを同時並行で進めていくことで、効率よく転職活動を進めていける。
自分が使える時間には限界があるからだ。
最後に③である。
求人には非公開求人というものがあって、特定の転職エージェントしか扱っていないものがある。
そうした求人を探すのならば、当然のことながらエージェントを利用する他ないだろう。
〇転職先の志望業界が定まっていない人は要注意
転職先の志望業界が明確でない人は、転職エージェントを使うことをオススメしない。
なぜか?
エージェントに流されてしまうからだ。
そして流されるままに入った企業で、また同じ過ちを繰り返すことになってしまう。
「こんな会社だとは思わなかった。」
「自分のやりたいことはこれじゃない。」
…転職したはいいものの、再びこのような悩みを抱えてしまう人は少なくないそうだ。
私含め新卒早期離職者は、短期離職を二回繰り返すと、今後が更にしんどくなる。
日本は職歴が重要視される国だからだ。
転職市場においては、一回のミス(=短期離職)は許されても、二回のミスは許されない。
社会的な信用を失ってしまうからだ。
従って自分の明確な意思を持って、尚且つ自己分析を入念に行ったうえで、転職先を選ばないといけない。
「自分はこの仕事がやりたいんだ」
「自分はこういう環境で働きたいんだ」
「逆にこの業界は自分には向いていないな」
「この条件だけは譲れないな」
などなど。会社を選ぶ軸をはっきりさせる必要がある。
閑話休題。
ここで転職エージェントのビジネスモデルを考えてみよう。
人材紹介会社は、「人材を採用したい企業」から採用の仲介の依頼を受ける。
そして実際にマッチングした場合(求職者と採用企業)に成功報酬を得るビジネスモデルだ。
マッチングが成立しない限り、売り上げが立たないので(もちろん他の収益源もあるが)エージェントはできる限り多くの求人数を紹介する。
(これまた非常に失礼な表現だが)言ってしまえば、「数打ちゃ当たる」スタイルのエージェントも恐らく存在する。
人手不足の業界であれば、求められる人材の質はさほど厳しくないだろうし、求職者の意向と合致すれば、マッチングしやすい。
私も自分が志望していない業界の求人を、エージェントから紹介されることが多々あった。
その行為の背景には、こんなカラクリが隠されていたわけだ。
もちろんそもそも私が企業を選べない立場である、ということが最大の原因なのだが。
〇新卒早期離職者は弱い立場にある
新卒の早期離職者は立場が弱い。
転職に関する知識もないし、各業界に関する知識も乏しい。
会社を選べる立場にもないのが現実だ。
だから転職エージェントの口車には載せられないように、よく注意した方が良い。
「今、〇〇業界はオススメですよ。今後も安定している業界ですし。」
「〇〇業界はスキルアップもできますし、転職にも有利ですよ。」
…などなど。
当然のことながら、彼らの言っていることは正しい側面もある。
正しいのだが、それが自分に向いているかどうか、自分がやりたい仕事かどうかまでは保証されていない。
だから自分で考えないといけない。
SNSなどで、「転職エージェント経由で転職が決まったものの、後悔している人」を見かけることがある。
自分の意思に基づいた決断かどうか。
自分のやりたい仕事は何か。
職場に求める条件は何か。
これらのことを整理してから転職エージェントを使った方が、賢明ではなかろうか。
流された決断は後悔しやすい。
転職エージェントにおける顧客は「企業」であって、求職者ではない。
企業が求める人物像に適した求職者をあてがうことが彼らの仕事だ。
もちろん単に斡旋するだけでなく、求職者の意向と企業の意向をできる限りマッチさせることが、エージェントの仕事の本質だと思う。
(その実現のために、日々全力で働いていらっしゃると思う。)
※詳しくはコチラを読んでみてください。
なぜ新卒の早期離職者は転職エージェントに冷たく扱われるのか!?その構造と改善策を考える - 思考の解剖
転職において自分の望みを叶えたいのなら、求職者自身が、自分が志望する業界や企業に求められる要素を備えていないといけない。
そうでない限り、望みが実現できる可能性は低く、結局は自分が志望していない業界にブチ込まれることになる。
つまり求職者のスペックが高ければ、転職市場において強気に出られる。
しかし新卒早期離職者はそうではないのが、現実である。
現に私も書類選考で落ちまくっている。
新卒早期離職者の転職は、厳しい戦いを強いられることは間違いない。
しかし不本意な形で終わってしまったら、そもそも転職をした意味がなくなってしまう。
だからエージェントに流されてはいけないし、流されやすい立場(業界に関する知識が乏しい・企業を選べる立場にない)に居ることも自覚しておく必要がある。
この点に留意しておけば、転職エージェントに頼るのは全然アリだと思う。
また、それぞれのエージェントによって合う合わないの相性があるはずだ。
人と人との付き合いなのだから、当然だろう。
だからなるべく多くのエージェントに相談してみて、自分が信用できるエージェントを見つければいい。
幸いなことに、ほとんどの転職サイトはタダで利用できるからだ。
■最後に
新卒早期離職者の転職活動はキツイ。
私はそれを、身をもって体感している真っただ中だ。
会社を辞めたいという気持ちが膨れ上がっていくのは分かる。
しかし、それでも転職先に関しては慎重に慎重に見極めないといけない。
また同じ過ちを繰り返したくないのは、転職者の総意である。
自分が気持ちよく働くため、前職の不満を解消するため、自分のやりたい仕事をやるためなどなど。
転職をする目的は人それぞれだが、「転職をすることそのもの」が目的となってしまうのは、あまり良くないのではないだろうか。
もちろん今の環境から逃げ出すために、速攻で辞めるのは全然アリ。
私もそうだ。
次の転職先で逆転できるように、冷静に転職活動を進めていきたい次第である。
最後まで読んでいただきありがとうございました。