Mizuki Blog

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歌舞伎町に来て3ヶ月が経ちましたよ。

歌舞伎町に来て、早くも3ヶ月が経過した。

ホストの仕事がしたくて、この街に来た。

 

予め断っておくが、あいにく自分はホストをやれるようなルックスは持ち合わせていない。

元々1年半くらい前から、ホストをやってみたいという意欲はずっとあったが、ルックスに難ありということを自覚していたため、諦めていた。

しかし、なぜかどうしてもホストになりたいという思いが強くあったため、若いうちにしかできない仕事だしと思い、歌舞伎町で働くことを決心した。

 

なぜホストを始めようと思ったのか。

理由はいくつかある。

 

 

 

 

〇夜の街が好きだった

そもそもいわゆる「夜の街」の雰囲気が自分は好きでたまらなかった。

新宿・歌舞伎町をはじめ、川崎の堀之内、大宮のなんぎん、西川口、仙台の国分町など。

華やかで、禍々しくて、非日常で、開放的で。

でも実はどす黒くて、汚くて、危なくて、がんじがらめの世界で。

昼の世界とは全く異なる、そんな非日常的でダークサイドな雰囲気漂う夜の街に憧れを抱いていた。

ちなみにガールズバーは何回か行ったが、普通にその辺にいる女の子すぎて、ナンパした方が全然マシだと思ったが。

 

〇女性が好きだった

そしてもちろんホストを始めるにあたり、「女性が好き」という、至って単純明快な動機もあった。

元々、休日に都会に繰り出しては、ナンパをするくらいには女性が好きであった。

街で声をかけることもあれば、クラブで声をかけることもあった。

ホストを始めるからには、金髪でケバいキャバ嬢と付き合いたい、しかもできるなら複数人と付き合いたいという邪なモチベーションを抱いていた。

普通にサラリーマン生活を過ごしている限り、外銀や総合商社勤めでなければ、キャバ嬢とプライベートで知り合う機会はそう多くないと思っていた。

少なくとも人脈に欠ける自分の生活はそうだった。

 

ならば近しいコミュニティに飛び込むしかない。

そんなこんなで夜職の女性と知り合う手段として、手っ取り早かったのがホストになるということだったわけだ。

自分でこの文章を打ちながら笑ってしまうが、まぁホストを始めようというやつなんて、金か女かのどちらかでしかない。

 

ちなみに、「歌舞伎町で絶対に大金を稼いでやるぞ!」という意欲はほとんどなかった。

これが後述の経緯に繋がってくるのだが、もしホストを始めるのならば、金への執着が強くないとやっていけないと思う。

 

〇自分のキャラクターを売ってみたかった

ホストは自分のキャラクターを売れるという点にも魅力を感じていた。

髪型、服装、キャラ、トークの内容、全ては自分次第。

元々営業職をやっていたということもあり、それを発展させることに面白さを見出していた。

自分は口が達者なのではないか?という思い込みもあって、それをホストとして試してみようというモチベーションだった。

 

〇イケメンと仕事がしたかった(?)

そしてこれが最後になるが、カッコいいホストを間近で見ていたいという動機もあった。

カッコいい男に囲まれていれば、それに刺激を受けて、自分も自然と磨かれていくだろう、そんな算段だ。

最近はSNSブランディングをするホストも多く、彼らのインスタやツイッターの投稿を見ては、うわかっけえ俺もあんな見た目になりてえと思ったものだ。

髪型やメイク、服装など少しでもキラキラしたホストに近づきたかった。

 

〇いざ歌舞伎町

そんなこんなで、前職の会社に強い執着があったわけでもないため、サクッと退職をキメた。

 

店舗を決めるにあたり、体験入店を数店舗めぐってから、店を決めた。

直感で店を選び、晴れてホストとしてのデビューを果たした。

ホストになって3ヶ月と年月は浅く、お前が語るなという話ではあるが、色々と雑感を書きなぐっていきたい。

 

〇酒がしんどくて憂うつになる

おおかた想像はつくだろうが、やはりなんといっても酒はしんどい。

そのお店にもよるし、そのお店の中でも卓(=担当ホストとお客様)によるし、自分の営業スタイルにもよるが、酒のしんどさはついて回るといっていい。

特に自分のお客様が居ない新人時代は複数の席を回って(ヘルプ)その度にお酒を頂くことになる。

飲みゲー卓では、一気に5、6杯のお酒を飲むこともよくあるし、イベント等があれば、ひたすらシャンパンを飲むこともある。

ホストクラブにはぶっ飛んだお客様も来店するので、鏡月をロックで飲むこともあり、中々にきつい。まずいしこの酒。

個人的にはシャンパンを複数杯飲むのも、割とこたえた。

先輩のイベントだし、飲まないと先輩にも姫にも失礼だろうという事でグビグビ飲ませてもらった。

ちなみに自分がイベントを打つときは、他のホストがたくさん飲んでくれるということになり、ホストはチーム戦であるということがわかった。

 

酒のしんどさは飲んでいる最中ではなく、起床後に現れる。

身体が鉛のように重く、頭が上手く働かず、それでいて「酒うつ」の症状に陥っていた。

酒を飲んでいる間は、ワイワイ楽しく騒ぐのだが、その反動なのか翌朝は決まって憂鬱な気分に襲われる。

この酒うつというのは中々やっかいで、仕事への意欲はもちろん、生きることにも嫌気を覚えてしまうようなものだった。

〇にたいという気持ちがそこはかとなく表出してしまうような、厭世的な気分に陥ってしまう。

くわえて昼夜逆転の生活をしていると自律神経も狂うし、学生時代の友達とも生活サイクルが合わなくなるので、病みが加速していった。

 

 

 

 

〇「いつ報われるかが分からない仕事」に対して、モチベを保ち続けることの難しさ

ホストは指名客、つまり自分のためにお金を使ってくれる姫を見つけない限り、食っていけない。

店によるのだが、最初の3ヶ月はある程度の給料が保証されているが、それ以降は打ち止めというお店も多い。

言ってしまえばホストは完全歩合の営業職。

成果を出さなければ、報酬は得られない。

 

となると、何が何でも指名してもらわなくてはいけないし、売り上げを上げないといけない。

正直自分の場合は、ルックスが劣っていたという事もあり、指名客を掴むのに苦労した。

いくら必死に頑張ろうが、その努力が必ず反映されるとは限らない。

逆も然りで、運よく自分のことを気に入ってくれる女の子も居る。

 

今日もダメだった、今日もダメだったが数日続くとやはりそれなりにメンタルにクる。

そして成果が出ない限り稼げないので、いったい自分は何のために頑張っているのか分からなくなる。

だからホストを始めるのなら、何があっても成功してやるという強い意志、絶対に稼いでやるんだという野心がない限り、継続することは難しい。

よく言われることではあるが、売れないホストよりかはコンビニバイトの方が稼げる。

売れない状況から何があっても脱するという気持ちがないと、心が折れる

 

〇自分のことを気に入ってくれる女の子は必ず現れる

とは言いつつも、ホストクラブには色々な女性がやってくるので、自分のことを好いてくれる女の子に出会えるチャンスも結構ある。

不細工でアンパンマンのような顔立ちをしている自分でさえ、指名客が居るのだからこれは信憑性が高いだろう。(俺研究所調べ)

ホストクラブに初めて訪れた女性は、初回といって、かわるがわる色々なホストが数分おきごとに接客をする。

その中でその日一番気に入ったホストを「送り指名」といって、エレベーターまで選べるシステムがある。

この送り指名というのは、人気ホストだけに集中するかと思いきや、それだけではなく、中堅層、新人層など、割とまんべんない。

送り指名になったからといって、店に来て来るかどうかはまた話が別だが、いずれにせよちちょっとしたチャンスではある。

俺なんて、、、と思って歌舞伎町に来た自分だったが、これはいい意味で驚いた。

あとホストやるとモテるようになる。

髪型や服装に気をつかうようになるし、会話の技術も磨かれていくし、女の子に臆する事なく、話せるようになる。

まぁあとは「ホスト」っていうタグが自分につくことによって一部の層にウケるようになるというのもあるかもしれない。

CAの女性や保育士の女性に魅力を感じるようなもんだろう。

 

〇軽い気持ちで歌舞伎町ではやっていけない

たとえばサラリーマンの頃は、なんだかんだ文句言いつつ社会保険の恩恵を受けていたし、月の給料も約束されていた。

しかしホストはその逆で、保険も年金もないし、売り上げがなければ給料も生活できるかできないかのギリギリ。(そもそもホストは個人事業主という扱い)

自分の身は自分で守り稼いでいくというサバイバル精神がないと食っていけない。

でも働いている人たちは、自分が勤めていた会社の人間よりも、好感を持てる先輩方が多かった。

仕事で分からないことは親身になって相談に乗ってくれるし、営業終了後も複数人で集まって意見交換などをしていて、そういう連帯感はとても良かったと思う。

しかし何も歌舞伎町に限った話ではないが、最終的には自分の力で生き抜いていかないといけない。

会社員のように給料や福利厚生が約束されているわけではないため、稼げないとどんどん自分が追い込まれていく。

だからこそ絶対ここで成功してやるんだという燃え滾る思いがない限りは、苦しい思いをするだけだし、会社員をやった方が生活は安定する。

 

〇みんな自由に生きている

今思えば会社員の頃の自分は、「こうあるべき」という気持ちにとらわれすぎていた。

〇月までにこの資格を取得して、〇年後に〇〇社に転職して、そのためには会社でこれだけの成果を出して・・・といった具合に。

もちろんこの逆算的で戦略的な考えは割と役には立った。

資格も複数取得したし、この意識はモチベを支えてくれた。

しかし歌舞伎町の人たちはもっと自由に生きていた。

欲望に開放的だし、「明け方から昼過ぎまで飲んじゃったよ~」と言いながら笑っている。でも仕事は真面目に一生懸命にこなしている。

細かい規範意識にとらわれすぎず、型にハマらずとも、もっと肩の力を抜いて生きようと思った。

最低限仕事はしっかりやりきるという気持ちさえ忘れなければいい。

細かいことにこだわりすぎる必要はない。

 

ある日営業終了後に、チュッパチャップスを舐めながらナンパをしていると、声をかけた女の子にその飴を横取りされたことがある。

目の前を歩いていた女性が急に立ち止まり、その場で放尿し始めたことがある。

タクシーのすぐ目の前で通せんぼをしたまま動かない男性が数分後に顔面血まみれで倒れていたことがある。

まぁ色々な人が自由に生きているのが歌舞伎町だ。

 

〇最後に・・・自分はホストには向いてなかった

最後の項目になる。

たった3ヶ月で見切りをつけるのはなんともダサいが、自分には向いていないと判断した。

冒頭で述べたように、なんとしてでも金を!という意欲が自分にはなかった。

酒うつに苦しめられていたというのもある。

 

そして何より指名客が2人しかいなかったという事が答えだ。

 

ホストという商売は、需要の商売だ。

女の子からニーズがないのであれば、それはホストという商品が成り立っていない。

 

 

 

 

やりたい仕事を会社員という形でやりながら、空いた時間に資格の勉強や筋トレ、ブログの執筆、女遊びに興じるという以前の生活スタイルが自分には合っていた。

 

ホストという仕事はすごい楽しかったが、売れるまで我慢し続けるという忍耐力が自分にはなかった。

金銭的に余裕があるわけではないため、他の方法でお金を稼がないと生活を維持できない。

 

ただホストをやめることで、かわいい女性との出会いの数が減少してしまうことはやはり名残惜しい。

 

しかし今後の将来を考えるに、ホストとしてバカ売れしない限りは、昼職に戻らなくてはならなくなるので、おとなしく元の世界に戻ろうと思う。

 

華やかで眩しかった世界にまたいつか。

 

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