新卒で企業に入社したものの、様々な事情から会社をすぐに辞めてしまう「第二新卒」は少なくない。
新たな勤め先を探すためには、「職務経歴書」を用意する必要がある。
そして企業は、あなたの職務経歴書を読んでから、面接をするかどうか決める。
つまり職務経歴書とは、転職活動における重要なものの一つだ。
しかし、その経歴の短さや職務経験の浅さによって、何を書けばいいか分からないと悩む人も多い。
そこで本記事では、新卒早期離職者・第二新卒者に向けて、「職務経歴書の書き方」についてまとめていく。
こんな人にオススメ!
✓新卒で入った会社を辞めて転職したいけど、職務経歴書の書き方が分からない
✓第二新卒で転職したいけど、何から始めたらいいか分からない。
✓職務経歴書の書き方は分かるけど、何を書けばいいか分からない項目がある。
〇まずは職務経歴書の項目を知ろう
この記事を読んでいる方は、そもそも職務経歴書など書いたことがないという人が大半だろう。
そこでまずは、どのような項目が必要なのかを以下にまとめる。
あくまでこれは一例であるが、以下のような項目が必要である。
【職務要約】
【職務経歴】
【資格・特技】
【PCスキル】
【自己PR】
【志望動機】
【転職経緯】
※なくてもよい【学生時代のアルバイトや課外活動】
職務経歴書における各項目は、人によってやや異なる。
自分にとって不足していると思う項目があれば、追加すれば良い。
なお、職務経歴書のフォーマットはインターネットでダウンロードすることができる。
実際に私は、dodaから入手した。
職務経歴書テンプレート(Word・Excel)のダウンロードと選び方 |転職ならdoda(デューダ)
自分に適したフォーマットを選んでダウンロードしよう。
次に、各項目の概要と「書くべき内容とポイント」について一つずつ解説していく。
■職務要約
読んで字のごとく、職務を要約したものだ。
「要約」とあるように、分かりやすく簡潔にあなたの職務についてまとめる必要がある。
全体の文章は、3~4行、長くても5~6行に留めるのが一般的とされている。
職務という言葉は、業務と混同してしまいがちなので注意しておこう。
職務とは、あなたが担当していた仕事のことである。
そしてそれを分かりやすく転職先の人事に伝えるためには、あなたの仕事内容を具体的に伝えることを意識してほしい。
その為には、5W1Hを忘れずに文章を書こう。
以下にいくつかの例をまとめてみるので、参考にしてほしい。
・あなたが働いていた業界(どこで)
・あなたの職種(営業,技術職,企画,事務などなど…)(何を)
・顧客は誰か?(営業であれば個人営業?法人営業?など)(誰に)
・どのように考えて働いていたか?(どのように)
■職務経歴
あなたが経験してきた職務を経歴として表したものである。
ここに書くべき項目は、あなたの入社した会社についての情報だ。
・あなたの入社年度と在籍期間
・会社名
・事業内容
・資本金
・売上高
・従業員数
あなたが以前どのような会社で働いていたか?というバックグラウンドを伝えよう。
■資格・特技
職務経験やスキル、実績が不十分な場合、資格や特技等は大事なアピールポイントとなる。
特に資格は、あなたの能力を客観的に証明できる大きな武器となる。
そしてなるべくあなたが志望する業界と関連性のある、もしくは仕事に直接役に立つ資格を書こう。
職務経歴書を書く時点で、資格がなかったとしても心配する必要はない。
後に述べる自己PRができていれば、企業にはしっかりと評価してもらえるからだ。
もし資格を取るための勉強を継続している最中であれば、面接の際にそれを伝えよう。
■PCスキル
PowerPointやWord、Excel等はどんな仕事においても必要となるので、これらのソフトを使えるのであれば、書いておこう。
■自己PR
新卒ですぐ会社を辞めてしまうことになった場合、重要となるのが「自己PR」の項目である。
現代の日本では、転職が当たり前となり、20代の転職もまた活発となった時代である。
しかし企業の採用担当者にとっては、新卒早期離職者や第二新卒者の選考においては「採用してもまたすぐ辞めてしまうのでは?」という不安や疑念が生じてしまうことがほとんどだ。
そこであなたは、「この会社で長く働きたい」という熱意や意欲を、説得力を伴ってアピールする必要がある。
それと同時に、あなたが前職で得た経験やスキルを、今後選考を受ける業界や企業の仕事に活かせるようなアピールをすることも問われる。
第二新卒の採用とは、「ポテンシャル採用」だ。
本来、中途入社の社員を採用するということは、即戦力となる人材の補充である。
しかし、少子化の影響もあってか、「若い人材」の不足に悩んでいる企業も多い。
今後あなたが大きく成長する可能性があるということを、企業に伝えることができれば、第二新卒であっても転職活動は上手くいくはずだ。
それでは、具体的に自己PRには何を書けばいいのだろうか。
それは、「あなたが仕事で得た経験」「そこから得た学びや成長」である。
具体的にどのような仕事を行ったのか。
そしてそこから得た知識や気づきを思いつく限り、書き出してみよう。
ここでつまづく人が多いが、まずは難しいことを考えずに、ただただ自分が従事した仕事内容をリストアップしてみよう。
例をいくつか挙げてみる。
・入社してから3か月間、基本的なビジネスマナーや業界の基礎知識などを学ぶ。
・営業のロールプレイングを毎日上司と一緒にやった。
・エンジニアとして、何らかのプログラミング言語を用いて、システムを作った。
・販売職として、接客をしながらPOPなどを作成した。
そして次にその経験を通して、自分が感じたことや勉強になったと思うことを考えてみよう。
例えば営業のロールプレイングを通じて、営業の進め方、商品の説明方法、顧客のニーズのヒアリングの方法が一通り分かったのであれば、それを自己PRとして書いてみよう。
また、あなたの自主性が感じられる取り組みがあったかどうかも思い出してみてほしい。
例として、ある営業マンの気づきをごく簡単に要約してみる。
「営業という仕事をしていく中で、お客様と関係を築くことが先決だと感じ、まずはお客様の業界に関する知識や歴史について学んだ。そしてそれらの知識を踏まえたうえで、商談の際にさりげなく、お客様のバックグラウンドにふれながら、会話を進めていった。」
自分なりに、営業マンとしての改善策を考えて実行に移したエピソードである。
どの業界においても主体的に動ける人材は高く評価される。
あなたの仕事の取組み方が具体的に伝わるエピソードを話そう。
自分の学びや、工夫したことなどをアピールし、あなたのポテンシャルや仕事への向き合い方を効果的に伝えよう。
本来、転職において自分をアピールする場合、具体的な実績や数字が必要だ。
しかし新卒ですぐ辞めた場合、それらがないことがほとんどだ。
それらは今後の転職先で身につければ良い。
■志望動機
志望動機を考える際は、以下の順番通りに考えていくと良い。
①なぜその業界を志望しているのか?
②その中でもなぜその企業なのか?
③自分はその業界及び企業にどう貢献が出来るのか?
特に業界を変える異業種転職の場合、あなたがその業界を志望するに至った理由を伝えなくてはならない。
言い換えれば、なぜ別の業界に移ろうと思ったのか?という理由があれば、面接官も納得しやすい。
そしてなぜその企業を選んだのかという理由を考える上では、「その企業の業界内での立ち位置」「取り扱っている商材」「その企業とあなたの相性」「企業理念」などを考慮してみよう。
第二新卒の採用は、ポテンシャル採用であると先ほど書いた。
しかし新卒の就活と決定的に違うのが、人間性や熱意のアピールだけでは不十分だということだ。
つまり会社にとっての、あなたを雇うメリットを少しでもアピールしなくてはならない。
その為にも、その企業を選んだ理由=自分がその企業に貢献できると思ったから(具体的な根拠を添えて)という図式になることが好ましい。
またそれに加えて、前項にある自己PR(=仕事で得た経験や学び)を充実させよう。
■転職経緯
あなたが転職に至った理由や背景を、採用担当の人事や面接官に具体的に伝えることも重要だ。
この時意識するポイントは以下の通り。
・前職の悪口を言わないように注意
・転職経緯はポジティブであること。
・ネガティブな転職理由はNG
転職の経緯や理由を、前向きに話すことがとにかく重要だ。
それは、企業側が求職者に対して抱く「早期離職の不安」を解消するためである。
先ほども述べたように、「またすぐに辞めてしまうのではないか」という企業側の不安を解消するためには、転職の理由をポジティブに伝えなくてはいけない。
いかにしてポジティブに転職の経緯を考えればよいかについては、こちらの記事にまとめたのでぜひ目を通してほしい。
〇職務経歴書を書く本質的な理由
…職務経歴書とは、「あなたという人間を出来る限り分かりやすく具体的に伝えるための書類」である。
あなたの経験、能力、人間性、価値観、経歴、意欲など様々な角度から伝えることが望ましい。
そして企業にとって、メリットのある人材であるということを伝えることができれば、転職活動の成功確率は高まるだろう。
ぜひ一つ一つ、本記事を読みながらじっくりと考えてみてほしい。
〇職務経歴書を書く上では、実例を見ながら作成することが一番の成功の秘訣
…ここまで読み進めて、職務経歴書の基本は頭に入ったと思う。
この記事では、職務経歴書の各項目やポイントについて述べてきた。
それらに留意して書けば、ある程度質の高い職務経歴書を完成させることができるはずだ。
しかし本記事における内容は、あくまで「基本の徹底」である。
より詳しい実例やNGな文章例を学んだり、更に書類通過率を上げるためには、参考書を使おう。
オススメの一冊が、「採用される履歴書・職務経歴書はこう書く」だ。
この本は、あらゆるシーン別や職業別に対応しているだけでなく、企業側の採用基準、人事の採点基準などが細かく解説されている。
それだけでなく、他の求職者との差のつけ方まで、「転職活動に必要な知識やマインド」が余すところなく解説されている。
まずはこの本を読み進めながら、一つ一つの項目の精度を高めていこう。
■最後に
あなたという人物について詳しく述べて、尚且つ適切に自分をアピールすることができれば、必ずどこかの企業の目に留まるはずだ。
日本の多くの企業は若い人材の不足に困っているし、一度や二度の短期離職程度では、全然やり直しも可能である。
自分は将来どうなりたいのか?
自分は今までどんな仕事をしてきて、何ができるのか?
そしてこれから自分はどんな仕事をしたいのか?
自分が企業に貢献できることは何か?
…職務経歴書を作成することは、自分の「仕事」にまつわる価値観をゆっくりと考えてみる良い機会になるだろう。
この記事を読んでくれた読者の方々の、転職活動の成功を心から祈る。
最後まで読んでいただきありがとうございました。