「起業をしたいけどアイデアがない。」
「起業をしたいけど、何から始めたらいいか分からない。」
「どうやって起業のアイデアを考えたらいいか分からない。」
起業を志した人間がまず最初にぶつかる壁である。
この記事を開いたあなたも、恐らくこれらの悩みに直面していることだろう。
「あれこれ考えすぎずに、まずは行動!」と言われても、「何をすべきか分からないから困っているのではないか」とモヤモヤした思いを抱えたりしてはいないだろうか。
ネットで起業のアイデアを調べてみたけど、具体的なアイデアの考え方の手順が説明されていなかったり、とりあえずアフィリエイトをやってみようという記事だらけで途方に暮れてしまっている人も多い。
そして結局何をやればいいか分からずじまいで、行き場のないやる気だけが残る・・・。
…じつはこれは、過去の私の悩みである。
典型的な意識高い系大学生だった当時の私は、起業をしたいけど、何をすればいいか分からず行き場のない情熱を抱えていた。
先ほど述べたように、インターネットにおいては、具体的な起業の手順(=事業アイデアの発想法)を示した記事が少ない。
そこでネットに頼ることをやめ、色々な人に会って一次情報を得ることに努めた。
また求人サイトに掲載されている会社の業態やビジネスモデルを見て、「収益を上げているビジネスの要素」を探し出すための分析をした。
その結果、少しずつではあるが、自分の手でお金を稼ぐことができている。
そこで本記事では、「起業したいけど、何をしたらいいか分からない」という問題を解消するための、「ビジネスに対する考え方」「事業アイデアの構想」について、とにかく具体的に解説していく。
こんな人にオススメ!
✓起業をしたいけどアイデアがなくて困っている人
✓どうやって起業のアイデアを考えればいいか分からない人
✓起業するための具体的な手順を知りたい人
✓起業してお金持ちになりたい!と思っているけど、何をすべきか分からない人
- 〇ビジネスの本質は、「顧客の課題解決」である
- 〇顧客の課題解決のために、自分は何ができるのか?という視点を持つ
- 〇業界が抱える課題や悩みを探す
- 〇自分ができる仕事から探していく
- 〇自分にはスキルなんてないよ!というあなたへ
- 〇その他アイデア発想の観点6つ
- 〇ビジネス発想の観点まとめ
〇ビジネスの本質は、「顧客の課題解決」である
起業とは、自分自身で事業を興し、お金を稼いでいくということだ。
そしてお金を稼ぐとはすなわち、顧客からお金を頂くということ。
彼ら(顧客)がお金を払う動機は、いくつか存在する。
その中でも一番重要であり、本質的に考えるべきことは、「顧客の課題を解決すること」である。
顧客の課題は、以下のように分類できる。
■顧客の課題
・不安
・不満
・不便
・悩み
・非効率
・ムダ
・難しくて理解できないこと
この世の多くのビジネスは、消費者の欲求や課題に基づいて成立している。
消費者からすれば、「悩みを解決する薬」としてお金を払うこともあれば、「これが欲しい」というある欲求に基づいてお金を払うこともある。
その事例をいくつか挙げてみる。
■飲食店
・食欲
・人とコミュニケーションを取りたいという欲求
・(デート向きなレストランであれば)性欲
■広告代理・広告支援
・「売り上げに行き詰っている」「売り上げを更に拡大したい」という企業の課題解決のためのビジネス
・広告の効果を最大限高めてもらって、自社商品の知名度を上げたい。
・自社商品の魅力を最大限にPRしたい。
■人材紹介/人材マッチング
・求職者・・・自分が望む労働環境の会社に行きたい
・企業・・・自社が求める条件に適合した人材が欲しい
●両者が持つニーズを充足させるビジネス=人材紹介
つまり起業とは、「どんな人間の、どのような欲求や課題を、どのように解決していくか?」その方法を考えて実行に移すことなのだ。
そして開発する商品やサービスは、顧客の特定のニーズを満たすための手段である。
事業案を考える上で、独自の商品やサービスを何もない0の状態から考えることは難しい。
それどころか、誰にとっても需要のないプロダクトを作ってしまうことになりかねない。
奇抜な発想をひねり出すことも重要かもしれないが、「あくまで顧客のニーズ解決」という目的ありきで考えるべきだし、「奇抜なアイデアを生み出すこと」そのものが目的となってしまう場合、そのビジネスの成功確率は決して高いものとは言えないだろう。
仕事を進める上では、目的やゴールを設定したうえで、逆算的に取るべき行動を考えることが望ましい。
こと起業においては、クリアせねばならない課題がいくつもあるし、起業後も他社との競争や自社の利益拡大の為に限られた資金と期間において成果を出さねばならない。
その際に見据えるべき指標や目的がハッキリとしておらず、場当たり的な行動を繰り返していては、そのうちビジネスが立ち行かなくなってしまう。
従って、まずは「ビジネスで収益を得ること=顧客の課題解決の対価」であるという基本的な思考を、一つの目指すべきゴールとして頭に入れておこう。
顧客の課題解決をビジネスに結びつける事例をもう少し解説していく。
例えば、「web集客に悩んでいる中小企業」を顧客の対象とする。
その場合に必要となるスキルは、SEO(検索エンジン最適化)やWebマーケティングなどだ。
もしくは、web上でユーザーを集客するためのITツールやクラウドサービス、ソフトウェアなどを開発しても良い。
〇顧客の課題解決のために、自分は何ができるのか?という視点を持つ
顧客の課題解決の手段=商品やサービスであるということは先ほど述べた通り。
この考えをもう一歩発展させて考えていくべきことは、「自分は顧客のどのような課題を解決できるのか?」というポイントだ。
例えばサイバーエージェントの社長である藤田晋氏は、営業マンとして高い成果を出しており、強い自信があったので、営業代行の会社から始めた。
元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏は、学生時代からプログラミングに精通しており、HP制作の受託事業から会社をスタートした。
そこでまずは、自分のスキルをリストアップしてみよう。
営業やマーケティング、webデザインなどなど・・・。
ビジネスでお金を得るためには、何らかの価値を提供しなくてはならない。
もちろん起業をして人を雇って組織を作るなら、自分が求める能力を持つ人材を雇えば済む場合もある。
しかし創業期においては、資金に余裕がない場合が一般的であり、人を多く雇えないことがほとんどだ。
つまり会社が軌道に乗るまでは、経営に関わる業務はもちろん、現場の作業もこなしていく必要がある。
その為には、やはり何かしらのスキルを自分が持っておく必要がある。
そしてそのスキルもまた、「顧客の課題解決のための手段」でなくてはならない。
自分は何ができるのか?ということについて、整理するということは、現在の自分に不足している要素を洗い出す作業でもあるのだ。
〇業界が抱える課題や悩みを探す
起業の経緯として多いのが、「自分が働いていた業界が抱える課題を解決するため」に起業をしたという事例である。
自分が会社員として働くなかで、感じた課題を解決するために、起業をするという選択を選んだ人が多い。
「今の会社では、業界の課題を解決できない。」
「今の会社では、顧客に最適な提案ができない。」
など、業界特有の慣習や制約条件に縛られ、自分の思い通りに仕事をすることができず、それならば自分が会社を立ち上げて、その課題を解決しようと起業した人達である。
業界の課題を解決する事業を興すなら、常に問題意識と当事者意識を持って仕事に望まなくてはならない。
もしあなたが学生なら、特有の学生が抱えている問題、周囲の多くの友人が共通して抱えている悩みを、解決できないか?という発想からアイデアを膨らませてみよう。
法人を顧客対象としたビジネス(=to Bビジネス)は、一般消費者層向けのビジネスよりも得られるキャッシュが多い。
しかし起業したばかりで知名度も信用もない会社は、相手にされないことも多いので粘り強い営業と、分かりやすく具体的なメリットを訴求していく必要がある。
会社員から独立した人は、会社員時代の取引先と、独立後も取引するケースが少なくないようだ。
〇自分ができる仕事から探していく
自分が持つスキルをリストアップしたことで、「自分ができる仕事」が見えてくる。
起業をする上で大切なのは、「できること」から始めていくことだ。
理由は2つある。
①自分ができること=他者に価値を提供できる見込みが高いから
②自分でお金を稼いだという成功体験が得られるから
一つ一つ解説していく。
まず①についてである。
当然ながら、あなたができないことをビジネスにしようと思っても、すぐには実現することが難しい。
自分ができないことで、顧客に価値を提供することなど無理だろう。
自分ができることであれば、誰かの役に立つことができるはず。
次に②についてだ。
もしあなたができることをビジネスにした場合、比較的早い段階でお金を得ることができるはず。
例えば私であれば、それなりにwebライティングができるので、少額ながらブログで広告収入を得ている。
イラストやwebデザインができるのであれば、クラウドワークスやランサーズで仕事を探したり、TwitterなどのSNSで依頼主を募っても良い。
自分ができることや得意なことを、現存する仕事に当てはめて、「自分の手で稼ぐという成功体験」を獲得しよう。
そしてその成功体験はあなたにとって自信となるし、起業へのビジョンも少しずつ鮮明になっていく。
少額でもお金を稼げば、「もっと収益を拡大するにはどうすればいいか?」という発想に切り替わるし、必然的に仕事に関する勉強やスキルアップを目指すようになる。
よって、起業を始める上で私がおすすめするのは、
①自分にできることを探す
②それが世の中に求められている仕事かどうかを確かめる
③上の二つを満たしているなら、まずは自分でその仕事をやってみる。(クラウドワークスで探したり、知人のコネを使ったり、SNSで募集してみたり)
このステップだ。
〇自分にはスキルなんてないよ!というあなたへ
ここまで読み進めていただいた読者の方々の一部は、「起業したいけどスキルなんてないよ!」と思われたかもしれない。
この場合取るべきアクションは大きく分けて2つ。
①本当にできないことはないか、もう一度探してみる
②お金を稼ぎやすいスキルを勉強して身につける
世の中には多くの仕事がある。
多少なりとも文章を書くことが得意ならば(学校の作文が得意だった程度でもOK)webライティングの仕事を探せばいいし、スマホアプリで動画を編集した経験があるなら、動画編集の仕事を探せばいい。
もしくは自分で勉強をして、お金を稼ぎやすいスキルを身に着けるのも良い方法だ。
起業をするのであれば、マーケテイングやITスキル、営業や経営知識をいずれにせよ学ぶことになる。
その一環だと思って、スキル習得のために時間を費やしても良いだろう。
お金を稼ぐことに結びつきやすいスキルは以下の通りだ。
①ITスキル
・プログラミングスキル
・webマーケティングスキル
・webデイレクションスキル
・データサイエンススキル
・UI/UXデザイン
もし資本少なめで、小さく起業を始めるなら、IT業界がオススメだ。
そして上記のスキルは、需要も高く、今後も大きく需要は拡大していく見込みが高いため、習得する価値は大いにある。
起業する領域に関する知識がなければ、的確な経営戦略を考えたり、詳細な競合分析をしたり、事業運営を行うことができない。
経営者になり、技術力のある従業員を雇ったとしても、正しい指示を与えることが難しいだろう。
起業の第一歩を踏み出すため、そして会社が回りだしてからも、自分が参入する業界の知識は必須だ。
また自分が好きなことを探すのも手だ。
自分が好きなことは、勉強していて苦痛にならない。
たとえ今自分にとって「できないこと」であっても、好きなことであなたが勉強を継続できれば、そう遠くないうちにスキルが身につき、お金を得られる可能性は十分にある。
〇その他アイデア発想の観点6つ
①自分のノウハウを活かせるか
②海外のビジネスからアイデアを得る
③業界の常識を破る
④顧客目線で、既存の商品やサービスに対する不満や改善してほしい点を考えてみる
⑤業界の課題・悩みに着目する
⑥コストダウンできないかどうか考えてみる
〇ビジネス発想の観点まとめ
①業界や社内、仕事における「不便」「不満」「非効率」「悩み」「問題点」「ムダ」を解消する商品やサービスを考える。
(①'個人が抱える「不便」「不満」「非効率」「悩み」「問題点」「ムダ」を解消する商品やサービスを考える。)
②世の中に存在する色々な仕事、業態、ビジネスモデルを観察して分析する。
またそれぞれの業界が抱える問題点などを探す。(自分だったらこうするのにという視点があれば更に◎)
③自分なりの独自性と付加価値を創出したうえで、その問題点を解決できないか、ニーズを満たすことができないか考える。
④そのビジネスは継続的な需要、売り上げ見込みはあるかどうか分析する。
⑤とにかく「顧客のニーズありき」であるということを忘れない
〇最後に
起業というと、何か独自で斬新なアイデアを思いつかなくてはならないと認識してしまう人も多い。
もちろん競合が未だ手をつけていないアイデアを実行することで差別化に繋がることもある。
しかし本質的に考えるべきは、「顧客への価値提供」である。
むしろ多くの起業家は、旧来型のビジネスで収益を上げている。
まずは「ビジネスの基本的な型」を学んだうえで、あなたが持つオリジナリティを付け加えよう。
世の中に存在する問題に対して、あなたはどのようにして解決することができるのだろう。
そしてその事業を通じて、いかにして多くの収益を上げていくか?というシビアな目線も忘れてはいけない。
ビジネスはボランティアではないからだ。
顧客の利益と自社の利益の両立を目指して、まずは一歩踏み出してみてほしい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。