Mizuki Blog

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NewsPicks Bookという現象は何だったのか?

今年五月。幻冬舎の有名編集者、箕輪厚介氏が依頼したライターにセクハラ行為をしたとして文春にすっぱ抜かれた。

 

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箕輪氏は、歯に衣着せぬキャラクターと自信に満ちた言動で多くの信者を獲得していた。Twitterフォロワー数は21万人を超え、彼が運営しているオンラインサロンは1000人を超える。(現在は会員数非公開の為不明。)自著を出せば、10万部を超え、彼が手掛けた編集作の多くは数万部、ないしは数十万部を叩き出す、まさに売れっ子編集者であった。本業に加え会社員という立場でありながら、メディアにコメンテーターとして出演したり、コンサル業などを手掛けるなど斬新な仕事のスタイルが注目を集めていた。

 

ーーそんな彼をスキャンダルが襲う。仕事の発注先であるライターへのメッセンジャーを通したセクハラ行為。そして実際に家に押しかけている。彼は妻子持ちであることから、非難を浴びた。また、ライターが作成した原稿は、その書籍そのものが発売されない事になり、原稿料は未払いとなってしまった。

完全に自業自得であろう。そしてその後、彼はオンラインサロンにて、自分は悪くないとし暴言を吐いた。詳しくは、こちらを参照

その後、箕輪氏はTwiiterで謝罪文を発表。NewsPicks Bookは廃刊となった。

私自身、NewsPicks Bookのファンであったので、このブックレーベルが終了する事は少なからず寂しい思いがあった。思い出を振り返るという面でも、NewsPicks Bookとは何だったのか?振り返ろうと思う。

 

1.意識高い系ホイホイ

NewsPicks Bookが従来のビジネス本と異なっていたのが、承認欲求の高い若者を次から次へと虜にした点にある。

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自己啓発書ないしはビジネス本は少なからずそうした要素を持つが、ことNewsPicks Bookに関しては、「自分もすごい人物になれる!」と思わせるのが巧みであった。なんなら、「読んでいる事そのもの」がステータスであるかのようなブランド性を持っていた。明るい未来が来そうな気がする、自分が凄い人になれそうな気がする。物語を見せて、未来地図を演出する一級品がNewsPIcks Bookであった。

そう、意識高い系ワナビーにとってはまさにピンズドな代物なのだ。

2.ネットで実名顔出し!ブランド人になる・・・必要はあるのか?

仕事の実力に対して、マス認知度というレバレッジをかけると大きなリターンが見込める可能性はある。その為の手段として、実名顔出しでSNSYoutubeを行うのは有効であるとは思う。

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しかし、当然レピュテーションに配慮する必要があり、件のようなスキャンダル一発で全てが吹き飛ぶ可能性がある。どんな人間も完ぺきではないし、それを気にして生きるのは非常に窮屈そうに思える。箕輪氏のように、チ〇コをコントロールできず、醜態を晒すことは男にとってさほど珍しい事ではないからだ。

匿名でSNSをやった場合、差別化などが難しく、本人そのものにレバレッジがかかるわけではないが、事業のポートフォリオを組む事が出来る。そして何より、レピュテーションを気にする必要はさほどない。

3.私自身、オンラインサロンに居た事がある

オンラインサロンオーナーは、当然会員数を増やしたいので、スキルが身につく行動力がある人が集まる!などと謳い文句を並べているが、オンラインサロンに入ったり、その界隈の人をSNSでウォッチしている限りでは、残念ながらそれは間違いであった。

例えば、某絵本作家芸人のサロン。基本的に信者がアホ。その芸人の個展を開く権利を買った!だの、絵本をたくさん買ったから売りさばく!など、傍から見て「それ何の意味があるんだ?」と思うようなことが多かった。そんなことしてもサロンオーナーの利益にしかならない。それで、仲間内で〇〇さんすげえ!と褒めあってるだけ。

その行為には何の価値も感じられなかったし、スキルも身につかない。集団でオ〇ニーをして慣れあっているだけ。私は耐え切れず、すぐに退会した。

4.ビジネス本をエンタメとして昇華した

ビジネス本と言えば、且つては手練れでベテランなビジネスマンが堅苦しい文章で、仕事について書き綴っているものが多かったように思う。NewsPicks Bookの場合、著者と編集者のキャラクターを前面に押し出し、文章も平易である。トークイベントなどを積極的に行い、エンターテインメントとして昇華させた。これは箕輪氏の大きな功績である。

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特に若者は、社会人と触れ合う機会も少ないので、タレント性のあるビジネスマンについつい惹かれがちである。キャッチーで分かりやすく、エンタメ性のあるビジネス本を生み出したのが、NewsPicks Bookだったのだ。なおのこと、承認欲求の高い若者には魅力的に見える。

5.楽観主義者たち

キャッチーであるが故に、自分も成功できるのでは?という思いが生まれやすい。

オンラインサロンに入れば、あるいはインフルエンサーの真似をすれば成功できるのでは?そうした勘違いをしている人をたくさん見た。しかし、当然の事ながら「成功」というものはたやすいものではない。地道に作業をこなし、苦境に立ち向かっていかなければならない。オンラインサロンにはそうしたことに気づかない、悪い意味での楽観主義者が多く居た。

6.時代の徒花

怒涛の勢いで、勘違いした若者を多く生んだNewsPicks Book。(私もその一人)

そしてそれは、時代の徒花として散っていった。箕輪氏のセクハラ、NewsPicks Bookの廃刊に伴い、目が覚めた読者も少なからず居るのではなかろうか。一瞬の夢。短かった熱狂。承認欲求を持て余していた私たち。夢から覚めた私たちは、まずは自分と向き合い、自分のスキルをコツコツと磨いていかなければならない。一歩ずつ、勉強をし手を動かし、自分にできる事を増やしていかなければならない。現実と乖離せず、新しい世界に夢を見すぎず、今生きている現実、今生きている社会と向き合わなくてはならない。

SNSで箕輪氏と絡んでいたインフルエンサーの多くは彼に言及する事もなく、平常運転を続けている。まるで何事もなかったかのように。そう、やはりNewsPicks Bookとは短い夢だったのだ。

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7.箕輪氏のこれから

一度の過ちで、人生の全てが終わるわけではないし、そうあってはならないと考えている。箕輪氏の功績は大きく、出版業界を活性化させた側面もある。人の人生にどうこういう権利はないが、彼の今後の活動を待ち望んでいる自分がいる。いつかまた、世間を沸かせるようなプロデュース作品を世に届けてほしい。

8.最後に

NewsPicks Bookのファン、箕輪氏のファン、箕輪編集室会員の皆様は今回の件についてどう感じているのだろう。よろしければコメントください。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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