インドの古代宗教について
以前の記事では、インドの歴史についての概要を記事にまとめた。
その内容の補足として、インドの古代宗教をこの記事にごく簡単にまとめる。
バラモン教
古代インド宗教の一つ。
前1500年ごろに移住してきたアーリヤ人は、自然現象を神々として崇拝するバラモン教を崇拝した。※なお、バラモン教とは欧州の人間が便宜的に付けた名前である。
いつしか、自然の脅威と同時に、人間による脅威が生じる。
それは、領域を巡っての争いによるものである。いつしか自然崇拝の時代から、「人間」に焦点があてられる思想が誕生する。
ウパニシャッド哲学
ヴェーダ(バラモンの聖典)の文献の一つにある「ウパニシャッド」に基づいた哲学思想のこと。この世の真理、普遍的な真実や、内面を追究する思想。
自我(アートマン)と宇宙の根本原理であるブラフマンが究極的に同一であると悟ることによって解脱の域に到達することが出来るというもの。解脱、すなわちあらゆる苦しみから解放されるというもの。悩みや迷いから解放された境地。
しかし、生前の行いであるカルマによっては解脱する事が出来ず、再び新たな肉体でこの地上に再び生まれてくる。
輪廻転生の思想がここにある。
ジャイナ教
ヴァルダマーナを始祖とする宗教。
あらゆる生物には、アートマン(我)が宿されているとして、殺生は固く禁じられている。輪廻を解脱する為に徹底的な禁欲と、苦行によって業を克服するように教えられている。正しい生活、正しい信仰、正しい生知の修行によって至福の彼岸に到達する事が出来ると考えている。
仏教
ガウタマシッダールタを始祖とする宗教。仏教においては8つの実践徳目(八正道)が存在する。
八正道
正見・正恩・正語・正業・正命・正精・正念・正定
詳しくは次回更新予定!
ヒンドゥー教
ヴェーダ及びバラモン教を受け継いだ宗教。この世で与えられた身分や職業を、天命として全うする。その為に励んだ努力で、利益や地位を得る事は悪い事ではない。(現世利益)預言者や共通の聖典はなく、様々な信仰や慣行が存在する。現在のインドにおいて最大人口を誇る宗教。多様性を内包する宗教である。宇宙そのものを唯一の最高存在とする。神はあくまで宇宙の構成要素であるという考え方がある。
民族宗教という側面がある。宗教的観念と社会慣行が多く融合している。
基本的な教えは以下の3つとされる。
ジュニャーナ(知恵・知識)知識を探求し、真実を知る
バクティ(愛情・忠誠)祈りを捧げ、忠誠を誓い解脱を得る。
カルマ(行為)行動する事で何かを得る。
最後に
宗教は長い歴史を経て、育まれてきた思想文化である。
従って、一朝一夕で理解する事は中々難しいが、本ブログを通じて少しずつ内容を整理していく。最後まで読んでいただきありがとうございました。