中東における政治情勢を理解する上で、重要となるファクターの一つ。
「パレスチナ問題」
今回の記事では、中東情勢とパレスチナについて理解するために「中東戦争」について分かりやすくまとめてみようと思う。
1.第三次中東戦争
第一次、第二次中東戦争については以前の記事にまとめた通りである。
第二次中東戦争が終結して以降、イスラエル側とアラブ諸国側、即ちユダヤ人とパレスチナ人やアラブ人との関係は比較的穏やかであった。
しかし1964年のPLOの発足を契機として、両者の間に再び緊張が走る。
PLOとはイスラエルが占領している、パレスチナに住むアラブ人の解放を目的として発足された武装集団である。ゲリラ的な襲撃がイスラエルに向けて行われるようになる。
またPLO発足から約二年後、シリアで新しい政権が誕生しPLOを支持。そしてイスラヘルへの攻撃を始める。
エジプトもその後、イスラエルと対決する姿勢を示す。
イスラエルが先制攻撃を仕掛け、戦争が開始された。イスラエルは軍事力で圧倒し、この戦争はわずか6日間で終了する。
戦後、イスラエルはエジプト領、ヨルダン領、シリア領のそれぞれ一部を占領し、領土を二倍に拡大させた。
この戦争を機に、更に多くのパレスチナ人が難民となり周辺国への移住を余儀なくされた。
裏で暗躍するソ連
時は冷戦真っただ中。ソ連は中東においてアメリカより優位な立場に立ちたかった為、中東で戦争を起こそうと画策した。そこでソ連のスパイ組織KGBは各国にウソの情報を流した。
→エジプト
イスラエルとシリアが戦争間近だという情報を流す。
→シリア
イスラエルがシリアへ攻撃しようとしているという情報を流す。
2.第四次中東戦争
1973年勃発。エジプト・シリアVSイスラエルによる戦争。
第三次中東戦争によって失った領土を奪還するべく、エジプトとシリアがイスラエルへ奇襲を仕掛ける。
イスラエルは前回の戦争で圧勝したこともあり、アラブ諸国に対する驕りがあった。
油断した結果、当初はアラブ諸国に圧倒される。
イスラエルが部隊を再編成して反撃に出ると、イスラエルが次第に勝ち始める。
その後、アメリカとソ連により、国連を通じて停戦が決議された。
また、この時かの有名なオイルショックが起きた。
アラブ諸国が、イスラエルと親しくする国には石油の輸出を停止する事にして、戦争を有利に進めようとした。
第四次中東戦争後、アメリカを仲介し、エジプトとイスラエルにおいて平和条約が結ばれた。
エジプトは度重なる戦争で、財政が厳しい状況にあった。そこでアメリカから経済援助をしてもらうために、イスラエルとの融和を図った。(イスラエルとアメリカは友好国)
これが現在まで続く中東混乱の大まかな原因である。
次回は、また別の角度から中東情勢について解説しようと思う。
私のブログが興味の入り口となり、より詳しい文献で知識を深めてくれたら嬉しい。
それでは。