6000文字超えの徹底解説!AKIOBLOG氏から学ぶブランディング戦略6選
皆様は株式会社GOAL-B代表取締役の中川晁雄氏をご存じだろうか。
AKIOBLOGという名前の方がピンとくるかもしれない。(以下AKIO氏と呼ぶ)
彼を一躍有名にしたのは、自身の生活を記録したルーティン動画をYoutubeに投稿したことだった。
【ルーティン】筋トレ大好き営業職サラリーマンの1週間 | WEEKLY ROUTINE IN JAPAN #1 - YouTube
なんとこの動画、その再生回数は210万回にも達している。(2021年5月18日時点)
上に引用した動画を皮切りに、彼は次々とルーティン動画を投稿し、瞬く間に多くのファンがついた。
現在では「会社員のルーティン動画」というのは、Youtubeにおいて一つのフォーマットとして確立されている。
そのブームに火をつけたのが彼だろう。
リクルートの会社員として働く傍ら、副業や筋トレに勤しむその姿が多くのサラリーマンに刺激を与えた。(この点の凄さは後述に譲るとしよう。)
AKIO氏は三年間リクルートに勤めた後、元々副業として行っていたコーチングやフィットネス分野において自身の会社を立ち上げた。(元々会社員時代からこれらの分野で起業していた。)
つまり会社員時代に手がけていた副業を、本業へとスライドさせたのだ。
とまぁ…エリートな経歴を持つAKIO氏であるが、現在の経営者としての姿はもちろん、会社員時代の彼から学ぶべき要素は多い。
枚挙に暇がないので、テーマを絞ることにしよう。
今回は、会社員時代のAKIOBLOG氏における
・個人ブランディング
に絞って、私独自の見解や分析を述べていきたいと思う。
- 〇3つのポジション×3つのブランド
- 〇ブランディングに欠かせない3つの本質的要素
- 〇人は「知らないもの」にはお金を払わない
- 〇スモールステップをやり抜くことによる市場開拓
- 〇熱意の継続と伝播が及ぼす好影響
- 〇「感情の振れ幅」と「再現性」
〇3つのポジション×3つのブランド
彼の凄さは、まずなんといっても「ポジショニング」にあると思う。
会社員時代における彼のポジションは、「リクルート×筋トレ×副業」である。
そして、彼にあったブランディングとしては大きく分けて3つあると考える。
■3つのブランド
・イケてるエリートサラリーマン
・俺もあんな風になりたいと羨ましがられるサラリーマン
・マッチョでアグレッシブなサラリーマン
この三つだ。
そしてこのブランドを支えるのが、上記に示した3つのポジション(リクルート×筋トレ×副業)の掛合わせである。
図にしてまとめてみよう。
↓会社員時代のAKIO氏のポジションとブランド↓
それぞれ3つのブランドについて、順を追って説明していく。
■リクルート・・・イケてるエリートサラリーマン
リクルートといえば、多くの就活生が憧れる人気の企業だ。
世間的なイメージとしても、「明るくて活気に満ちた、意識の高いサラリーマン」が多いというのが共通認識ではないだろうか。
まず、リクルート勤務というのが彼のブランディング=毎日全力で生きている会社員というものに寄与したと考える。
もちろん他の会社であっても問題なかったとは思うが、ネームバリュー的観点、そして何より副業に寛容(もちろん本業にも全力で取り組まれていた上でだとは思うが)な企業体質であったことから、リクルートという要素は重要であったはずだ。
■副業・・・「俺もあんな風に稼げるようになりたい」と羨ましがられるサラリーマン
AKIO氏は会社員時代、副業(YouTube,ブログ、パーソナルトレーニング,note,コーチングなどなど)で、多くのお金を稼いでいた。(なんと最高月収700万円!)
現代は副業ブームの時代でもある。
ブームどころか、副業が当たり前になった時代だ。
それを証拠に、インターネットやSNSではしきりに副業を主たるトピックとした記事や投稿を見かける。
終身雇用の崩壊や先行き不透明な時代というのもあって、個人で稼ぐ力というのが重要であると、誰しもが認識している。
だからこそ会社員には「副業をやらなきゃ。」という焦りもあるし、「でも何をすればいいのか分からない。」といった悩みもある。
そして副業でお金を稼いでいる人への憧れもある。
即ち副業で月収100万円を稼ぐAKIO氏は、お金を多く稼ぎたい会社員達の羨望の的となったのである。
■筋トレ・・・マッチョでアグレッシブなサラリーマン
筋トレもまた、彼のブランディングに大きく寄与したはずだ。
私も筋トレをやっているから分かるが、基本的に男はマッチョに憧れる。
AKIO氏も元々はガリガリだったが、努力して現在の体型へと変化した。
仕事に追われて、日々疲弊している会社員は多い。
しかしそんな中でも時間を捻出しジムに通うAKIO氏の姿が、視聴者の心を刺激したはずである。
彼の生き方はとにかくアグレッシブだ。
パブリックイメージもまた然り。
そしてそのアグレッシブさを演出するのに効果的だったのが、筋トレ風景だったのではないだろうか。
当然見た目もマッチョであるがゆえに視覚的効果が働いて、言動にも説得力が増す。
そして彼の姿に勇気づけられた視聴者は、彼のファンとなり、週に何度か更新されるYoutubeの動画を心待ちにするようになった。
つまり彼のブランディング及びポジショニングによって、YouTubeの視聴者を固定的なファンとして定着させることに成功したのだ。
いわばAKIO氏は「意識高いビジネスマンのアイコン的存在」であったと言える。
そしてそれを支える複数の要素が彼にはあったということだ。
〇ブランディングに欠かせない3つの本質的要素
つまり個人のブランディングにおいては、やはり実績や結果が大切だということが分かる。
当然のことながら、思想及びメッセージ性もキャラクターを際立たせるためには欠かせない。
しかし説得力を生んだり、人を巻き込むためには、やはり具体的な数字や自身の進化が必要なのだと思う。
並大抵のことではないが、だからこそ大きな価値があるのだろう。
要約すれば、彼のブランディングに寄与したのは以下の3つの要素である。
①メッセージ性や思想
②それに説得力を持たせる実績
③複数の要素の掛け合わせによる独自性
あと一つ、ブランディングを構築するうえで大きく役立ったのが、「行動量の多さ」であるが、これは後述する。
さて次に、ブランディングがもたらすマーケティングや販売への好影響を述べていきたい。
〇人は「知らないもの」にはお金を払わない
商品やサービスが大量に溢れる現代においては、消費者はどれを選べばいいのか判断しにくい。
というかいちいち比べることも難しい。
尚且つ、提供者側にとっても、商品やサービスの質及び内容だけで差別化するのが難しくなってきた。
そこでコンセプトや理念、背景で差別化を図り、消費者に選んでもらうことが一般的になった。
AKIO氏の場合、会社員時代に多くついたファンのみならず、経営者になった現在でも新たなファンを増やし続けている。
それは彼の根っこにある思想や生き様が、日々を充実させたい人間の心に刺さるからだろう。
現代は「個」の時代と言われて久しい。
SNSやYoutubeにおいて自分という存在を発信し、セルフブランディングに努めることがこれからのビジネスの主流の一つとなっていくであろう。
現段階においては、一個人のサラリーマンがガンガン自己発信することに対して、(主に上層部の人間が)否定的な見解もある。
しかしベンチャー企業を中心に、自己発信をするサラリーマンが増えている。
もしインターネットを主戦場としてビジネスを行うのであれば、出来る限り自分を晒すことが重要になるはずだ。
なぜなら一般的な傾向として、人は「知らないもの」「正体が分からないもの」にはお金を払わないからだ。
なんだかよく分からない商品やサービスをネットで見つけたところで、中々購入は至らないだろう。
しかし親や友達が勧める商品は、購入してみようかなという気にはなる。
そこには、一定の信頼があるからだ。
個人としての存在を認識してもらう重要性は信頼の獲得にある。
「あの人の作った商品なら欲しい。」
「あの人の手がけるサービスなら使いたい。」
と思ってもらえるようになるのだ。
私含めAKIO氏のフォロワーは、みなある程度、彼の人となりや経歴を知っている。
従って、少なくとも私は勝手に親しみや尊敬の感情があるし、彼の会社のサービス(ジム)を利用したいと思っている。(東京にもジム欲しいです)
リクルート時代においても、彼は生き様や思想をさらけ出していたからこそ、単なるブランディングのみならず信用を獲得し、それが売り上げへと繋がっていったのではないだろうか。
「AKIOさんのnoteだから読んでみたい」
「AKIOさんの会社だから、コーチングを受けてみたい」
などなど。
AKIO氏の場合は、以下のような手順を辿っていったと分析する。
個人としての認知
↓
ファン及びフォロワー獲得
↓
信用の獲得及び醸成
↓
商品やサービスの購入
どんなに優れた商品であっても、知られてなくては意味がない。
そして単なる認知だけでは、購入に至ることも少ない。
その次の段階までしっかりと見据えなくてはならない。
即ち「この人の商品なら買ってみたい!」と消費者から思ってもらうことである。
また彼はブランディングやポジショニングに長けていただけでなく、スモールビジネスの育て方も優れていた。
次章では、それについて解説していく。
〇スモールステップをやり抜くことによる市場開拓
AKIO氏はとにかくビジネスにおける行動力が凄い。
もう少し掘り下げていえば、
・とにかく何でもまずはやってみる
・まずは市場に出してみる
・当たったらその機を逃さず、全力でやり抜く
これらを徹底しているのだ。
「やりたいことが分からない・・・。」
「やりたいことはあるが、上手くいくかどうか分からない・・・。」
という悩みを抱えている人は多いと思う。
私も同じだ。
しかしやはり、やってみないことには何も現実は変わらない。
例えば彼が副業として行っていたYouTubeやブログ、noteやパーソナルトレーニングやコーチングなどは、初期費用はあまりかからない。(コーチングはスクール代等の初期投資が結構かかるが)
参入障壁に関しても、少なくともYoutubeやブログ、noteに関しては、ほとんどないし誰でも始めることができる。
もちろん彼のやっていたことをそっくりそのまま真似するだけでは、大勝ちはできないだろう。
コンテンツ発信の場合に限っては、二番煎じでは中々厳しいはずだ。
なぜならコンテンツそのものを真似したところで、新鮮さや新たな価値を生み出すことが難しいからだ。
閑話休題。
ただただ会社員として日々をなんとなく生きるのではなく、本業に邁進しつつも、副業で小さくてもいいから自分自身のビジネスを育てていく姿勢は、学ぶべきものである。
小さく始めればリスクもないし、何度でもトライできる。
やらない限り、成功は見込めない。
どんなビジネスが当たるかどうかは、結局のところやってみないと分からない。
だからこそまずはマーケットに持ち込んでみることから始めるしかないのだ。
そして芽が出そうな機運を感じたら、AKIO氏のようにリソースを集中的に投下すればよい。
「やりたいこと」など簡単に見つかるものでもないかもしれないが、色々なことに挑戦しているうちに、それが次第に「やりたいこと」になっていくのではないだろうか。
AKIO氏自身、様々なことに挑戦し、途中で見切りをつけたのも多くあるそうだ。
またAKIO氏はトライアル&エラーを繰り返す中で、常に高い熱意を保っていたように見える。
〇熱意の継続と伝播が及ぼす好影響
熱意を継続させることは、簡単なようで難しい。
三日坊主といかないまでも、数週間数か月で途切れてしまう方も多いのではないだろうか。
AKIO氏の場合、会社員時代から経営者の現在に至るまで、(少なくとも私の目には)熱意を高く持続させ続けているように見える。
そしてその情熱が、視聴者やSNSフォロワーに伝わり、よりコアなファンとなっていく。
※彼のTwitterでは熱いツイートを楽しむことができる。
多くの人は「励まし」が欲しいし、心を熱くするきっかけを求めている。
AKIO氏は、そうした潜在的需要にマッチした。否、掘り起こしたというべきか。
彼の動画を通して見ることが出来る言動が、意識高い人々の需要を掘り起こし、潜在的顧客の獲得へと繋がったのではないだろうか。
〇「感情の振れ幅」と「再現性」
ビジネスにおいて重要なことの1つは、「お客様の感情を大きく動かすこと」だ。
感情の振れ幅、換言すれば感動の大きさが大きければ大きいほど、お客様にとってはその商品やサービスが魅力的に感じる。
感情はどういう時に、動くのか。
その一つは、「成功体験」である。
もう少し掘り下げて言えば、ビフォーとアフターの間にある進化である。
AKIO氏自身は、まず自身を以てそれを体現してみせた。
筋トレによる肉体変化、副業の継続による大幅な収入増加、そして独立。
彼が手掛けるコーチングやフィットネス事業においても、「ビフォーアフターにおける進化」が価値の本質の一つではないだろうかと浅慮する。
コーチングを受ける前と受けた後の精神の変化、人生のビジョンに対する変化。
パーソナルトレーニングを受ける前と受けた後の肉体の変化、それに伴う自信。
まず彼自身が変化を遂げ、その成功体験を今度は市場に持ち出す。
そして同様の成功体験や感動を顧客に提供する。
顧客はAKIO氏の変化をYoutubeを通して知っているため、「再現性」を信じて、GOAL-Bのコーチング或いはフィットネストレーニングを受ける。
自己発信は単なる個人としてのブランディングのみならず、商品やサービスにストーリーをもたらし差別化する。
そして、再現性の演出をも生み出す可能性を秘めている。
〇結局は「積み重ねていくこと」
AKIO氏のビジネスにおける成功は、彼自身が元々備えていた能力の高さによるのはもちろんのこと、「行動の積み重ね」にあったように思える。
例えば筋トレなどは分かりやすいが、人間の肉体は一朝一夕では変わらない。
筋肉は徐々に大きくなっていくからだ。
週に数回トレーニングを継続させたからこそ、筋肉質な身体を手に入れることが出来た。
同様に、Youtubeで多くのファンを獲得したことも、ルーティン動画をひたすら投稿し続けたことによるものだろう。
他のビジネスにも全て「継続」による積み重ねが、大きな成功要因であろう。
〇最後に
AKIO氏のようになることは容易ではない。
先ほども述べたように表面上を真似するのではなく、ブランディングのやり方(複数の要素を掛け合わせる)(努力して何らかの武器を手に入れる)の本質的要素を取り入れたり、個としての存在を発信し続けることでファンを獲得していく方法は学ぶべきものであろう。
私も私なりに頑張っていく。
この記事がもし好評であれば、GOAL-Bのビジネス分析をやりたい。(ファンなので。ファンなら金も落とさねば)
最後まで読んでいただきありがとうございました!