「コミュ障」という言葉がいつの間にか、世間に広まっていた。
昔からこれに代替し得る言葉はあったとは思うが(おたくとか)、「コミュ障」という言葉のラベルが定着した事で、その呪縛に悩んでいる人が多いのではないだろうか。
「私はコミュ障なので・・・。」と自認する事は、会話能力の向上意欲を奪う。
まるで生まれつき、自分はコミュニケーション能力が低いかのような錯覚を覚える。
これが言葉のレッテルの恐ろしさである。
勿論、遺伝的に得手不得手はあるかもしれない。それは否定できない。
しかし会話とは、ちょっとした努力で、いかようにも克服できるものでもある。
そもそも会話そのものは別に難しい事でも何でもない。言葉のラベリングによってあなたがそう思い込まされているだけだ。
そもそも、世の中の全ての人間がコミュニケーションに長けているわけではない。
明るく振舞って、会話上手に見えるあのチャラ男も、よくよく見れば自分の事ばかり話してるだけだったりする。人の話を聞いたりすることが下手くそかもしれない。
他人を見下せと言っているワケでなく、自分だけが劣っていると思い込んで、卑下する必要は全くないという事を伝えたい。
本記事では、会話に自信がない人に向けて、会話のコツについて解説していく。
会話の正体を一度考え直してみよう。
〇そもそも会話の目的は?
どんな事にせよ目的が分かっていないと、どう行動したらいいか分からないだろう。
我々は、ある目的や、ある欲望を満たすために何らかの行動をする。
では、会話の場合の目的は何か。ざっと考えてみると以下の通り。
①相互理解
②物事の推進
③価値観の共有
あえて言うまでもないが、会話とはお互いの事を理解し合うために行う。相手がどのような人間なのかを知り、そして自分がどういう人間かを分かってもらう。
相手がどのような価値観の持ち主で、今までどのように生きてきたのか。どのように考え、日々生きているのかなどなど・・・。相手について知るべきことは、挙げればキリがないくらい山ほどある。
仕事の場合も同じである。仕事を推進する上では、お互いの人間性についてある程度理解したうえで、コミュニケーションを以て仕事を推し進めていく。
会話とは、なんとなく友達と集まってダラダラと行う場合もある。しかし、それはお互いの関係値があってこそ成立するものだ。もしあなたが初対面の人と話す場合や、まだそこまで親しくない人と話す場合、或いは仕事上での付き合いの場合は、会話の目的を自分なりに咀嚼する必要がある。
逆に言えば会話の目的さえ分かっていれば、その目的に沿って相手と話せばいいので、全然怖くないし難しくない。尚且つ、以下に示す会話の評価基準(?)というか相手に喜ばれるツボを押さえておけば、更に円滑に事が進むだろう。
〇人は自分の事を話したい
一般的な傾向として、人は自分の事を話したいという欲求を持っている。
特に女性の場合は、おしゃべりが大好きである。
だから相手に出来るだけ長い時間話してもらえばいい。
相手7割 自分3割が大まかな目安である。
その為に必要なのは、会話を掘り下げるための質問である。「その後どうなったの?」「なんでそうなったの?」というパスに加えて、適度にリアクションをしていく。
会話を広げていく為の質問を投げかけよう。
また、あなたの感情を交えながら、相手の話に反応をしよう。そうする事で、相手が話をしやすくなる。
「凄いね」「うんうん」「そうなんだ!」実は相槌にそこまでこだわる必要はない。
肝心なのは、あなたの話を聞いていますよと相手に言葉を以て示す事。
まぁ、あまりにも単調だと相手に不愉快に思われるので、いくつかの相槌レパートリーを使い分けながら、リアクションを取ればいい。
ライター業を営む、借金玉 (@syakkin_dama) on Twitter氏が「会話は音ゲーだと思え」と自著に著していた。
相手の話や人間性をきちんと理解して応対するというのはすごく難しいですよね。それよりも共感や、褒めるニュアンスの相槌をタイミング良く返すことが大事なんです。(中略)人間関係って結構「なんとなく」で成り立っている。
大人の発達障害者・借金玉が伝授する、社会を生き抜く"意識低い系"ライフハック!「適当、素晴らしいじゃないですか」 (2018年11月12日) - エキサイトニュース(3/5)
会話とは相互理解、物事の推進の為に行うと私は書いたが、一方で世の中の対人関係やコミュニケーションは「なんとなく」に支えられている事も多い。相手への誠意がもちろん大事だが、考えすぎる必要もない。会話そのものを楽しんだり相手に楽しんでもらうためには、肩の力を抜いて臨めばいい。従って、「音ゲーのように適切にリアクションをする」というスタンスでもいいのかもしれない。
〇自分に意識を向けすぎない
自分に意識を向けすぎていると、会話がうまくいかなくなる可能性が高い。
・自分は何を話せばいい?
・自分は相手との会話においてどう振舞えばいい?
・どういう話をすれば、面白いと思ってもらえる?
と、このように悩みすぎると、余計に分からなくなる。あなたがお笑い芸人でもない限り、会話の質にこだわりすぎる必要はない。
発想の転換として、主語を自分から、相手に変えてみてはどうか?
私がどうこうではなく、相手へ意識を向けてみる。相手に興味を持つ事が大切だ。
目の前にいる相手に興味を持つ事で、自ずと話が弾むようになる。
相手に興味があって、相手の事をもっと知りたいのに、会話が途中で途切れてしまうという事は考えにくい。会話とは、人との向き合い方が重要なのだ。
〇視覚情報の意識
メラビアンの法則を知っているだろうか。有名な法則であるので一度は聞いたことがある人も多いと思う。コミュニケーションの際、話している内容と声のトーンや態度に矛盾があった時、人はどのような受け止め方をするのか?という事を研究した法則である。
その結果、以下のようなデータとなった。
視覚情報が55%
聴覚情報が38%
言語情報は7%
つまり、人は非言語コミュニケーションに大きく左右される。態度や表情と発言の内容は、より前者が大きな比重を持つ。従って、態度と発言はセットで一致させる必要がある。
「楽しそうだねー。」と声に出して言っても、表情や声のトーンが暗ければ、楽しそうだと相手には伝わらない。むしろ「つまらない」という印象を与える事になる。
話す内容も大事だが、それに伴った表情や声のトーンを意識してみよう。
いきなり改善する事は難しい。一日一回でもいい。誰かと話すときに表情を明るくしたり、声を明るくしてみる事を心がけてみる。
「いきなりキャラ変したと思われるのではないか・・・。」と不安に思うかもしれない。でも大丈夫。少々乱暴に聞こえるかもしれないが、基本的に人は自分の事しか気にしていない。他人の事について考える時間はそう長くない。せいぜい恋人や家族ぐらいだろう。
周囲の目を気にしても意味がないし、それになによりあなたの人生をよりよくすることが大事なのではないだろうか。
最後に
会話を難しいものと考えすぎずに、本記事で書いたことを参考にしながら、ゆるーく改善していってほしい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
私のTwitterアカウントは、コチラ→ Mizuki Endo (@msecond0513) on Twitter