【首脳名鑑No.01】ドナルド・トランプ当選の背景をごく簡単にまとめてみた
第45代アメリカ合衆国大統領を務めるドナルド・トランプ。
2016年の大統領選では、大勢の予想を覆し見事当選。
政治に関心がない人であっても、「とりあえずなんかヤバい」という認識を抱いているであろうこのお方。
本記事にて、彼のビジネスマンとしての姿、政治家としての姿を簡単に示していこうと思う。興味が湧いた読者の方は、より詳しい本を読むことをおススメする。
当選の背景
そもそもなぜ彼は、2016年のアメリカ大統領選に勝てたのか?
1.アメリカ内の格差
日本に生まれ、生活していると気づく事はまずないが、そもそもこの世は弱肉強食。多くの国においてその図式が当てはまる。
アメリカはその象徴であろう。世界トップクラスのお金持ちが、バカでかい家を建てて金をアホほど使いまくっている傍らで、お金がない人はスラム街で身を寄せ合って暮らしている。
アメリカは、基本的に自分の事は自分でどうにかする精神の国である。
当然の事ながら、貧乏な人は自分の生活に不満を持っていないし、個人レベルでどうにかなるものでないケースも多々存在するので、政府に期待するしかなくなる。
またそんな状況に追い打ちをかけるかのように、大量に外国から、仕事を求め移民が押し寄せた。アメリカは移民大国であるが、安い労働力(中国人やメキシコ人)が同じ仕事をするようになり、アメリカ人は仕事を失った。
俺たちの国の、俺たちの仕事が外国人に取られてんじゃん!、と。その心理を代弁したのがトランプであった。
だからこその、「メキシコとの国境に壁を作る!」宣言であり、"America First"なのである。
2.自己資金による説得力
トランプは元々ビジネスマン。"不動産王"としてその名を馳せていた。
だから自己資金で、選挙を行っていると公言していた。
これは何を意味するか?
それはスポンサーの忖度がない、ということである。
アメリカの選挙はとにかくお金がかかる。(日本もそうだが)
アメリカは広いから、飛行機で各地を回って演説しないといけないし、広告を打って知名度を稼ぐ必要がある。繰り返しになるが、国土が広く、州1つ州1つが小さな国のようなアメリカでは、知名度を上げる事は容易ではなく、多額の資金が必要となる。
だから選挙の候補者は富裕層から、選挙資金を寄付してもらう。
となると、必然的に富裕層に有利な政策を取らざるを得ない。
政治の歪な点の一つである。
トランプは、自分のお金でやっているから、富裕層にわざわざアピールする必要がなく中流~低所得者への訴求が可能だった。
だからこそ、先ほどの1に戻るが、現状の政治に不満を抱えているアメリカ人の心理を代弁する事が出来た。
3.トランプの支持層
今までの流れで、トランプの支持層が少しずつ見えてきたかもしれない。
トランプの支持層は、高卒層が多くブルーカラーに従事している労働者が多い。
ブルーカラーとはつまり、肉体労働であり単純労働でもあるから、先ほど述べたように移民に取って代わられやすい。同じ労働力ならより、給料の安い中国人やメキシコ人の方がもちろん雇う側にとって都合が良い。(※私は職業に貴賎なしのスタンスです。)
アメリカには地域ごとによって、人々の傾向が分かれる。
一般的に、南部には概して保守的な人が多い。よって共和党支持者が多かった。しかし、共和党は大企業に有利な政策を推進した結果、グローバル化がどんどん進んだ。
南部の共和党支持者は当然気分が良くない。保守派の政党であるはずなのにやっている事は自分たちの為の政治ではないではないかと。
4.光が当たらなかったアメリカ人たち
一方で、現在に至るリベラル思考。男性の支配ではなく、これからは女性の時代である!LGBTの尊重を!
所謂、かつて社会的弱者であった人たちにスポットライトが当たった事で、中間層の白人男性の窮状は可視化されづらくなった。アメリカでは、forgotten people(忘れ去られた人々)と呼ばれることがある。
アメリカには、アファーマティブアクションという制度が存在する。国内の社会的不平等を是正する為、黒人や女性などが入試等で優遇される制度の事。
リベラル真っ盛りの時代に言い知れぬ違和感を抱きつつ暮らしていた層。これがトランプ支持層である。
今までの政治家は誰も俺たちの声を聞いてくれなかった!でもトランプはそんな俺たちの声を代弁してくれたんだ!と。
グローバル化、多様性の時代。そこから生じた歪みと副産物。
それがドナルドトランプだったのではないか?と私は個人的に思う。
また次の記事で、簡単に彼についてまとめてみようと思う。
私のブログが興味の入り口となり、より詳しい文献で知識を深めてくれたらうれしい。それでは。